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小濱道博の攻略!2015年介護報酬改定
小濱道博の攻略!2015年介護報酬改定(介護老人保健施設、介護療養病床)2016年3月16日10時10分

(1)介護老人保健施設

1,基本報酬

 15年度改定の結果、介護老人保健施設の基本報酬は、通常型で▲3%、在宅強化型で▲1,5%の減額となりました。前回2012年の改定で新設された在宅強化型と通常型との報酬差は6%でしたが、今回の改定でその差は7.5%に拡大しました。厚労省の意思として、在宅強化型重視の方向性がより明確になった今回の改定と言えます。

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2,在宅強化型への転向の考え方

 従来型と在宅強化型の基本報酬の差が7.5%に拡大したことで、定員100人の介護老人保健施設では年間に基本報酬だけで2000万円以上の収入差に拡大しました。そのため、多くの介護老人保健施設が在宅強化型への転換を模索しているのが現状です。しかし、職員募集が困難な状況にあって新規の介護施設の整備が停滞しています。定員100人で建設したものの、職員が規程を下回るためやむを得ず、定員50人で運営する施設も後を絶ちません。今回の制度改正で、特別養護老人ホームが実質的に要介護4以上の施設になったこともあり、5〜6年以上の入所が可能な施設としての従来型のニーズも高まっています。また、在宅強化型への転換と言っても既存の長期入所者をすぐに退所させることは困難です。

 

 主な在宅強化型の算定要件は、①在宅復帰要件として6ヶ月間の退所者総数のうち、在宅に復帰した割合が100分の50を超えていること②ベッド回転率要件として、前3月間において、30.4を入所者の平均在所日数で除して得た数が0.10以上であること③重度者要件として、前3月間の入所者のうち、要介護4及び要介護5である者の占める割合が35%以上であること――です。

 

 特に①と②の要件が問題となります。これらの算定要件を満たすためには、定員100人の施設において満床であると仮定した場合で、1ヶ月の平均で10人以上が退所して、うち5人以上が在宅等へ退所することが求められます。同時に、新規入所者を一ヶ月に10人以上確保することが絶対条件です。1ヶ月に10人が退所するということは、入所者の平均在所日数は304日以下、すなわち10ヶ月以内での退所が求められます。 これまで5年以上の長期入所者も多い介護老人保健施設の入所日数を平均で304日以下とすることは可能なのでしょうか。当然、長期入所している入所者を早期に退所させる事には強い反発があります。

 

 例えば、このような方法が可能です。入所定員100人を半分に分けて、50人は長期滞在可能人数分として確保します。残りの50人は、短期滞在人数として10ヶ月では無く、5ヶ月以内の退所を前提に入所頂く方法です。この50人枠で在宅強化型の算定要件を満たすことになります。100人で月に10人の退所の場合、回転率は0.1ですが、要件を満たすために半分の50人の入所者で月に10人を退所させる場合、実質的な回転率は倍の0.2となり空床リスクは格段に高まります。しかし、リピーター入所を確保するなどの対応は可能です。

 

 介護施設に入所する高齢者の大きな不安の一つに、一度介護施設に入所したら二度と自宅に戻れないという不安があります。しかし、当初から5ヶ月程度での退所が前提である場合には、この不安は払拭されます。ここに新しい施設コンセプトが確立させる可能性があります。長期入所が必要な重度者には長期滞在も可能な施設であるという二面性を持つ介護施設という事業コンセプトは、早期に在宅強化型への移行を考える場合は検討すべきです。

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3,入所前後訪問指導加算

 入所期間が1月を超えると見込まれる者の入所予定日前30日以内又は入所後7日以内に当該者が退所後生活する居宅を訪問し、退所を目的とした施設サービス計画の策定及び診療方針の決定を行った場合に、Ⅰが月に450単位、Ⅱが月に480単位を算定します。

 

 Ⅰは退所を目的とした施設サービス計画の策定及び診療方針の決定を行った場合。Ⅱは退所を目的とした施設サービス計画の策定及び診療方針の決定にあたり、生活機能の具体的な改善目標を定めるとともに、退所後の生活に係る支援計画を策定した場合が算定要件となります。

 

4,療養食加算

 1日23単位から18単位に減額されました。また、従来は不可であった経口移行加算又は経口維持加算を算定している場合も算定可能となりました。

 

5,経口維持加算

 現行のスクリーニング手法別の評価区分を廃止して、多職種による食事の観察(ミールラウンド)や カンファレンス等の取組のプロセス及び咀嚼能力等の口腔機能を踏まえた経口維持のための支援を評価する加算です。

 Ⅰは、6月以内の期間に限り、1月400単位 を算定します。ⅡはⅠの上乗せ加算であり、要件を満たす場合、Ⅰに100単位を加えて算定します。その算定要件は、現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有して、誤嚥が認められる入所者に対して、医師又は歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を行って、入所者ごとに、経口による継続的な食事の摂取を進めるための経口維持計画を作成している場合で、計画に従って医師又は歯科医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が栄養管理を行った場合となります。

 

 ただし、経口移行加算を算定している場合又は栄養マネジメント加算を算定していない場合は算定出来ません。6月を超えた場合でも、摂食機能障害を有して、誤嚥が認められる入所者で、医師又は歯科医師の指示に基づいて継続して誤嚥防止のための食事の摂取を進めるための特別な管理が必要とされるものは引き続き当該加算を算定できます。

 Ⅱの算定要件は、入所者の経口による継続的な食事の摂取を支援するための食事の観察及び会議等に、医師、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士の何れかが加わった場合に上乗せ算定します。

6,経口移行加算

 28単位は変わりませんが、算定要件が見直されました。経管栄養により栄養を摂取している入所者が経口移行するための取組として、現行の栄養管理に加え、経口移行計画に基づき、摂食・嚥下機能面に関する支援を併せて実施することが求められます。

 

 見直しされた要件は、経口による食事の摂取を進めるための経口移行計画を作成し、計画に従い、医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士による栄養管理及び言語聴覚士又は看護職員による支援が行われた場合に算定します。栄養マネジメント加算を算定していない場合は算定出来ません。医師の指示に基づき継続して経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が必要とされるものに対しては、引き続き当該加算を算定できます。

 

(2)介護療養型医療施設

1,基本報酬

 通常型は▲5%の減額となり、今回の改定で新設された機能強化型は4%弱のプラスとなります。今回新設された機能許可型は、介護療養型医療施設が担っている看取りやターミナルケアを中心とした長期療養及び喀痰吸引、 経管栄養などの医療処置を実施する機能について、新たな要件を設定した上で重点的に評価するものとされました。

 

 介護療養病床の2018年3月での廃止は現時点に置いても変わっていません。その存続問題は、医療介護報酬の同時改定となる2018年改正に合わせて今年中に結論が出されます。

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2,機能強化型A

 Aの算定要件は以下の通りです。

① これまでの基準に該当するものであること

② 次のいずれにも適合すること
a 算定日が属する月の前三月間における入院患者等のうち、重篤な身体疾患を有する者及び身体合併症を有する認知症高齢者の占める割合が50%以上であること。
b 算定日が属する月の前三月間における入院患者等のうち、喀痰吸引、経管栄養又はインスリン注射が実施された者の占める割合が50%以上であること。


③ 算定日が属する月の前三月間における入院患者等のうち、次のいずれにも適合する者の占める割合が10%以上であること。
a 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること。
b 入所者又はその家族等の同意を得て、入所者のターミナルケアに係る計画が作成されている

c 医師、看護師、介護職員等が共同して、入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時、本人又はその家族への説明を行い、同意を得てターミナルケアが行われていること。

④生活機能を維持改善するリハビリテーションを行っていること
⑤地域に貢献する活動を行っていること(2015年度に限り、2016年度中において当該活動を行うことが見込まれることを含む)

 

3,機能強化型B

 Bの算定要件は、Aの算定要件を以下の通り緩和されています。

 機能強化型Aの規定を、②b中「50%」とあるのは「30%」と、②③中「10%」とあるのは「5%」と読み替えるものとします。

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