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介護保険と在宅介護のゆくえ
介護保険と在宅介護のゆくえ 連載252014年4月14日18時07分

医療・介護保険一括法改正

地域包括ケアにおける医療・介護の一体化に注目

 2014年診療報酬改定、介護保険制度改正は2025年に向けた地域包括ケア体制の構築に照準を合わせた改定である。

 特に、医療保険制度に居宅介護支援事業所の併設等が位置付けられている。病医院が主治医機能を生かし、自前の居宅介護支援事業所やサービス事業所と連携し、医療ニーズの高い患者を在宅復帰や退院支援に結びつけることが報酬化された。

1.4月からの医療報酬で在宅復帰、地域包括ケアを具体化

 2014年の診療報酬改定には、3つの従来にない特徴がある。第1は36万床の7対1看護急性期病棟を、患者の重症度や診療体制、在宅復帰率を基準に高度急性期、一般急性期、地域包括ケア病棟、長期療養病棟に機能分化し、入院期間短縮、在宅復帰率を全病棟に報酬化していることは、医療保険と介護保険を共に地域包括ケアとして一体化していることとなる。

 第2は急性期病棟からの受け入れ、在宅への移行、在宅の救急受け入れの3つの機能をもつ「地域包括ケア病棟」の新設だ。この特徴は重度医療ニーズを持つ高齢者に対応したリハビリや看護、「専任の在宅復帰担当者」の配置により在宅復帰率70%等を具体化することを目標にしている。

 第3は外来に「地域包括診療料」を新設したこと。介護保険の主治医であること、外来に「介護保険の相談にのること」を掲示し、在宅医療や24時間対応等が条件の地域医療の実行部隊だ。その病医院の要件の1つには、「居宅介護支援事業所の指定」「敷地内に介護サービスの併設」等がある。まさに医療機関が自前でケアマネジャーを活用し、サービスと連携し、在宅の医療・介護を実践することが診療報酬で具体化された。

 入院していれば医療費で、退院すれば介護保険に移行する。それが自宅でなくても、有料老人ホームでも特定施設でも、サービス付き高齢者向け住宅でも在宅となる。

2.医療保険、介護保険改正で地域が変わる。介護が変わる

 今後、医療ニーズの高い重度要介護者が地域包括ケアの対象に絞られていく。介護保険の要支援のサービス変更、特養ホーム入所の要介護3以上への変更、介護報酬のパッケージ化、看護やリハビリへの重点化がその表れだ。

 しかし、介護保険の利用者は施設に20%、居住系施設に8%にしかすぎない。72%は居宅でサービスを利用している。しかも居宅で介護保険を利用している330万人の中で、要支援から要介護2の軽度者が7割を占める。しかし、要介護の原因は脳血管疾患、認知症、老衰が三大原因で介護保険サービスが不可な人たちだ。このミスマッチが在宅困難者の増加、介護放棄や引きこもりにつながらないか、ケアマネジャーは心して在宅ケアマネジメントに取り組まなければならない。

3.在宅生活の継続、悪化防止にポイントをあて、医療・介護の連携を強めよう
 
 重度者を対象にすれば介護報酬が高い、「軽度は損だ」「軽度は自費へ」と国の報酬は誘導しているが、その流れにサービス事業所が足をすくわれると、在宅の要介護者は救われない。在宅の介護者への負担も増す。

 もちろん、今まで以上に重度者や医療行為の必要な人が在宅に流れてくる。看護師の特定行為の新設(研修した看護師が医師の判断を待たずに経口、経鼻気管挿管の実施、気管カニューレの交換、中心静脈カテーテルや中心静脈カテーテルの抜去等を実施できる)や、介護職の喀痰吸引等の医療行為の制度化はその具体化である。

 しかし、要介護1や2の人は介護保険が要らない人ではない。在宅の人ほど、入院リスクのアセスメントを行い、転倒骨折や脱水、服薬管理不十分による状態悪化、誤嚥や肺炎の予防、低栄養や食欲不振への取り組みが大切だ。より長く在宅生活を継続できれば、給付は削減できる。高齢者は持ち家率が8割以上であり、自宅は「何もしないでも良い居場所」で、自分の役割がある場所だ。ケアマネジャーは、ここから医療・介護の連携で取り組んでいこう。

<シルバー産業新聞2014年4月10日号>

日本ケアマネジメント学会 理事

服部万里子

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