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介護保険と在宅介護のゆくえ
介護保険と在宅介護のゆくえ 連載292014年10月14日16時23分

介護保険制度・報酬改定論がすすむ中、要介護認定が危ない

1.報酬改定論議が急速に進められ、来年から段階的に制度が変わる

 医療・介護一括法が可決成立した。今回の制度改正は数年間かけての改変が行われるように法律が変わったのが特徴である。15年4月からは特養ホームの入所が要介護3以上になり、要支援の通所と訪問サービスが市町村の事業に変わる。15年8月からは利用料の2割負担の導入や、施設入所者の補足給付の仕組みが変わる。ケアマネジメントに関しては15年から研修制度が改変され、18年から居宅介護支援事業所は市町村の事業所指定に変わることが決まっている。

 介護保険制度・報酬改正では、今年4月から介護給付費分科会が毎月開催され、テーマごとに「今までの指摘事項」「現状の課題」について、メンバーの意見交換の会議が行われている。「定期巡回、複合型サービス」「認知症対応」「ケアマネジメント」「区分支給限度額」「特養と特定施設」の論点が示された。

 このようにテーマ別に論議が行われ、秋には「様々な意見を聞いたが、制度改正はこうなる」と具体的な報酬が提案され、12月中旬に来年からの制度報酬改定のまとめが出される方向である。1月に改定案が諮問され、実施が4月からになる予定である。

2.要支援の認定が危ない、要介護認定に歯止めか?

 要支援者は来年4月以降、予防サービスの内容変更が3年間かけて行われるが、要介護認定のシステムが変わる。要支援の認定更新、新規認定は4月から地域包括支援センターによる対面での24項目チェックリストによる判定が前提になる。予防訪問介護と通所介護を受けている人は「要介護認定を受けなくてもチェックリストで予防対応が必要」となれば、「市町村の介護予防生活支援事業」のサービスが受けられるというものである。

 しかし、要介護認定を受けなければ、要支援になるか、要介護になるかはわからない。また要支援に認定されなければ、「予防給付」を受けることができないのである。要介護認定を受けなくても「同じサービスが受けられる」と説得が行われるであろう。要支援の認定を受けなければ、「要支援者は大幅に減少した」となるが、果たしてそうだろうか。

 初めての人は制度の仕組みを理解できず、「そうですか、同じなら認定を受けない」となるかもしれないが、要介護認定を受けなければ「薬の管理や体調管理、口腔ケアの居宅療養管理指導」は受けられない。「必要な杖や車いすやベッド」も利用できない。住宅改修で和式トイレを洋式に変更したり、玄関の手すりをつけることもできない。

 そのことを誰が要支援者に伝えるのか。市町村が認定を受ける権利を抑えることをしてはならないと思う。現在要支援の人に伝えるだけでは、間違いなく、要支援認定者は減少し続ける。しかし、2006年までは要介護1の認定者が要支援2へ自動的に移行になったことを忘れてはならない。

3.要支援のサービスとケアマネジメントが変わる。利用者支援を具体化しよう

 15年4月から要支援者150万人(予防サービス利用者100万人)が介護保険から市町村総合支援事業に変わる。今回は予防訪問介護と通所介護であり、国基準の1割負担から、予防訪問介護は今までより①緩和された条件の訪問介護②ボランティアなどによる支援③短期間の予防支援としての保健師や作業療法士などによる訪問改善支援④移動サービス――などに分かれる。この総合支援も含めて、介護保険1割や総合支援で使えるサービスの限度額になる。要支援1の5,003単位、要支援2の10,473単位の区分支給限度額は変わらない。

4.予防ケアマネジメントは3段階、ケアマネジャーには予防プランの受託を進めたい

 予防ケアマネジメントは地域包括支援センターが行い、居宅介護支援事業所への委託も可能であるが、今回は3通りにケアマネジメントが分かれる予定である。

 ①初回だけアセスメントする予防ケアマネジメント②サービス担当者会議やモニタリングをしない簡易版③従来通りの予防マネジメント――である。要支援は06年から地域包括支援センターが行うように変更になった際に、通所介護、訪問介護が月の定額報酬に変更になった。そのことに即して、毎月のモニタリングは3カ月毎になった。

 今回の予防ケアマネジメントの3類型化は今後の包括単価(定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービス等)の進展と共に、ケアマネジメントにも影響を与える変化ではないかと考える。ケアマネジャーは新たな予防プラン作成に関わることにより、予防ケアマネジメントの経験を活かすことを勧めたい。

日本ケアマネジメント学会 理事 服部万里子

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