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生き活きケア
生き活きケア(102-1)足立老人ケアセンター2016年8月 8日08時00分

家族、本人と目指す在宅復帰

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 足立老人ケアセンター(医療法人財団厚生協会、久松正美施設長)は、精神医療を行う東京足立病院に併設された在宅強化型老健。施設入所の他に通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションと、短期入所を提供し、開設当初から「住み慣れた地域で暮らすこと」を目標に心と体双方のケアに力を入れている。

在宅復帰を目指して開設

 東京足立病院は、初代理事長の外来診療を重視した方針に基づき、精神障害を抱える患者の社会復帰に尽力してきた。同施設は、東京足立病院の「地域で暮らす」理念を受け継ぎ、1996年に開設。在宅復帰を支援する老健としてスタートし、以来地域の高齢者と家族を支えてきた。

 精神科医でもある久松正美施設長は、「施設開設の背景と、受け継いだ風土の影響から職員の在宅復帰へのモチベーションも高い」と話す。

 施設には2階の一般病棟48床と、3階の認知症棟44床合わせて92床のベッドがある。直近の半年間で退所した95人中、51人が在宅へ戻った。

 入所の際には、家族と面談をして目標を設定。目標を達成できたら、家族に一時帰宅をすすめている。

 在宅復帰のカギを握るのは家族の存在。「家族をいかに在宅復帰に巻き込むかが重要」と田島多美子事務部長は強調する。同施設2階の一般病棟では、リハビリ専門職と一緒に家族に同行支援を勧めるなど、家族を巻き込んだリハビリに取り組む。その他、サービス担当者会議への参加を促すために、家族が参加しやすい土日に開催するなど、工夫をこらす。

 1カ月の短期集中リハビリに参加した糖尿病で要介護3のAさんは、体重71.1㎏だったが、1カ月後には66.6㎏まで減量。自宅に戻った後も前向きにリハビリに取り組むきっかけとなった。

 「本人のやる気を引き出し、リハビリにつなげるため特に気をつけているのは、効果を『見える化』すること。本人含め家族が効果を実感できることが大切」と久松施設長は語る。

最新の認知症ケアを積極的に導入

 同施設では身体的なリハビリの他に、認知症ケアも重視。特に力を入れているのは、職員とマンツーマンで行う学習療法だ。施設入所と通所リハでは、リハビリ教室「大人の寺子屋塾」を開講。公文の教材を用いて簡単な計算や読み書きを行う。一人ひとりに配られる通知表には、成績の進歩が表示されているので、家族にも効果が分かりやすい。

 脳梗塞で再入所した要介護4のBさんは、言葉がうまく発せられない状態だったが、週4回の学習療法を1カ月続けた結果、発語ができるようになり、コミュニケーションが取れるようになった。マンツーマンでじっくりと向き合う学習療法は、コミュニケーションがしっかりとれるので、職員のやる気にもつながっている。

 同施設は他に、回想療法、音楽療法、ミッケルアートなど、様々な手法を取り入れる。

 「常に新しいものを試しつつ、一番効果的なものはなにかとスタッフと考えています」と田島事務部長は語る。

在宅復帰は、家族支援

 リハビリの目標を達成できても、家族の8割は家に戻ることに難色を示すという。「家族は、365日介護しなければならず、負担はかなり大きい。家族の不安をなくすことが大切です」と田島事務部長。退所後も具合が悪くなった場合に一時入所できる緊急のベッドを確保しておくなど、家族のレスパイトと並行したケアを実践している。

 施設内1階にある通所リハに通う人の中には、施設入所から在宅復帰し、入退所を繰り返しながらリハビリに取り組む利用者も多い。

 「通所リハの利用や、ショートステイの利用を通して家族へのアフターケアをしっかりとし、切れ目のないリハビリを行った結果が、在宅強化型である」と久松施設長は話している。

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