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生き活きケア
生き活きケア(102-2)兵庫県立リハビリテーション西播磨病院2016年8月 8日08時05分

身近なアイテムが患者の力を引き出す

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 兵庫県社会福祉事業団が運営する兵庫県立リハビリテーション西播磨病院(兵庫県たつの市、横山和正院長)は100床(回復期病棟50床、障害者病棟50床)のベッドを有し、さらに外来や介護保険の通所リハビリテーションも提供するリハビリテーション専門病院。同一敷地内には認知症疾患医療センターやふれあいスポーツ交流館なども併設される。2006年の開設以来、「地域とともに歩み成長するリハビリ専門病院」を理念に掲げ、兵庫県下の急性期病院などと緊密な連携を図り、脳卒中、神経難病、運動器疾患、脊髄損傷などの患者に対して入院から在宅まで一貫したリハビリサービスを提供している。

多様な個別リハビリ計画で早期復帰

 同院ではPT、OT、STなど60人以上のリハビリ専門職が在籍し、理学療法、作業療法、言語聴覚療法のほか、音楽や園芸など多様な療法を取り入れ、患者一人ひとりに個別のリハビリを提供する。

 広々とした開放的な訓練室は最新トレーニング機器が揃うほか、自宅を想定した和室や浴室、調理室なども備える。さらにパソコン操作を訓練したり、運転シミュレーション機器なども設置され、在宅・社会復帰を支援するためのさまざまな設備が整備されている。

 同院の大きな強みは「チーム医療」。リハビリ専門職に加え、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどによる多職種で、患者ごとのリハビリテーション計画を立てる。その後は定期的にカンファレンスを開催し、進捗を細かく確認しながら、適宜計画の見直しを図る。退院前には、必要に応じて地域のケアマネジャーがカンファレンスに参加し、地域との連携のもとスムーズな在宅復帰を図る。

 同院の充実したリハビリ内容や体制が、地域や患者からの信頼を集め、満床状態が続く。今年8月も98%のベッドが埋まった。退院後も介護保険の通所リハビリや外来での医療リハビリの提供で、地域の中でその人らしい生活が送れるよう手厚く支援する。

針を使わない刺しゅうキットを導入

 訓練室には作業療法の一環として、患者がリハビリで制作した編み物やぬいぐるみ、木工作品などがにぎやかに並ぶ。その中の一つが手芸用品などを扱う植村(京都市、植村一夫社長)の販売する「ファンジーステッチ」だ。同製品は針を使わない縫い付けキット。縫い穴を空けた特殊な合成皮革と先端が硬い縫い紐を使用する。従来の刺しゅうや裁縫と異なり、針を使わないため、高齢者や要介護者にも扱いやすい。

 「玩具ではなく、本格的な手芸品で、針を使わないものはみたことがありませんでした」と話すのは同院の作業療法士、石谷典子次長。訓練時以外に自室で作業を続けたいと患者から希望されても、針などを扱う場合、安全性や管理の面から断るしかなかったが同製品ならその心配は不要という。

 リハビリの視点からは、同製品は巧緻性(手指の細かな動き)、手指の筋力、関節可動域などの訓練になり、紐の長さを調節するなど作業療法士が材料や工程、環境を個々の患者に合わせて設定することで、治療の段階づけが行えるという。両手でなくても、工夫した方法ならば片手でも行える。使い方次第で多様なリハビリに繋がるようだ。同院でファンジーステッチを利用している患者の1人は右半身麻痺で、麻痺した手の巧緻動作訓練として導入されていた。

 また同製品は、決められた図案にそって紐を通していく作業なので強い創造性は必要としない。一定の工程を繰り返し行う単純な作業であるため、患者にとっても取り掛かりやすい活動の1つのようだ。

 同院は同製品を含め、患者の治療・援助の目的に合ったアイテムを見つけ出し、それらが多数導入されている。患者に生じている問題を解決、改善するためには、そのアイテムが身近にあるものでも、「材料・道具・工程」を分析し、障がいに合わせた活用を図ることで、リハビリ効果を発揮することができるのだという。

 作業療法は生活に必要な筋力、関節の動き、感覚機能の獲得に向けた訓練にさまざまな作業活動を用いるのが特徴だ。身近にあるものが患者の力を引き出すアイテムになりえるのだという。

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