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生き活きケア
生き活きケア(108) グループホーム「グルップボエンデ」2016年8月24日08時05分

職員の出産、育児を支援

働きやすさが良いケアにつながる

生き活きケア1-1.JPG 緑豊かな住宅街で、認知症グループホームを運営するグルップボエンデ(東京都杉並区、入倉哲郎社長)は、職員の働きやすさを実現するために出産、育児支援に取り組んでいる。今年1月には、子育て支援や地域貢献活動に積極的に取り組む企業・事業所に贈られる「杉並区子育て優良事業者最優良賞」を受賞。中学就学前までの看護休暇の取得や、妊娠中の女性の体調に配慮した休暇を設けるなど、多様な働き方を進める。

理想の住まいを目指す

 同社が運営する、「上井草グルップボエンデ」が開設したのは13年前。脳外科医として認知症の患者と関わってきた入倉社長が、「住まい」を徹底的に意識した理想のグループホームを作りたいとの思いで開設した。そのためグループホームの内装は、自宅のような居心地の良い空間にこだわり、木のぬくもりを随所に感じる作りとなっている。

 現在、杉並区内の2カ所で運営しており、「上井草グルップボエンデ」は3階建ての3ユニット。もう一つの「グルップポエンデ井荻」は、2階建ての1ユニットで、合わせて36人の入居者が暮らしている。 同社で徹底しているのは、入居者との交流を第一に尊重すること。その日一日をどのように過ごすかを確認し、食事や入浴などは入居者に合わせて提供する。外出は、週に1回程度行い、電車やバスなどの公共交通機関を使って映画を見に行くこともある。上井草の管理者である入倉遼平さんは、「認知症になっても、今まで通りの生活を行えるようにサポートすることが自分たちの役割」と話す。

職員に寄り添った子育て支援

 介護職員は、残業や夜勤が多く、子育てとの両立が難しいことを理由に退職する人も少なくない。厚生労働省の16年度予算にも、「介護サービス事業者等の職員に対する育児支援(ベビーシッター派遣等)事業」が新たに設けられた。 同法人も例外ではなく、「出産や子育てを理由に退職する職員が多かった」と入倉さんは説明する。元々法定で定めた産休・育休の取得は進めていたが、「育児支援を充実させてほしい」という職員の要望もあり、13年から子育て支援の充実に踏み切った。 育児支援では、中学校就学前までの看護休暇を設け、子供が急な病気などで看病が必要な時に、有給を取得して休むことができるようにした。また、介護休暇も創設し、同様に有給で休むことを可能とした。他にもつわりなど、妊娠中の体調不良に対応する休暇も設けた。

生き活きケア1-2.JPG

 上井草で働く関真世さんは、そうした育児休暇を取得して職場復帰を果たした一人。 「グループホームで1人抜けるのは重大なこと。育児休暇は2回取得したが、2回目の取得でも嫌な顔一つせずに『おめでとう』と言ってもらえたことがうれしかった」と話す。 井荻のホーム長を務める男性の二宮孝之さんは、親の介護と子育てが重なり、一昨年10月から1年間の育児休暇を取得。親を病院に連れていくときなども有給で休むことができるので、制度ができてから働きやすくなったという。 同法人では、現在常勤の職員が26人働いているが、この5年間で5人が育休や産休を取得した。

 「働きやすくないと良い仕事ができない」と入倉さん。子育て支援体制を整えてからは、職員の定着も少しずつではあるが、向上した。今後、子供の看護休暇を時間単位で取れるようにすることも検討中だという。 介護の人材不足が問題となる中、今いる職員を辞めさせない仕組みづくりは、業界全体のテーマだ。良いケアを提供するという意味でも、働く意思をもった人が、自らの安心した将来を描けるように支援体制を充実させていくことが重要だと感じた。

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