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生き活きケア
生き活きケア(109) なないろクッキングスタジオ2016年8月26日08時05分

五感に訴える料理療法作る・食べる楽しさから生きがいづくりまで

0515kaminaga.jpg ユニマット リタイアメント・コミュニティ(東京都港区、平家伸吾社長)が運営するなないろクッキングスタジオは料理をコンセプトにしたデイサービス。食べる楽しみだけでなく作る楽しみも追求し、料理療法に取り組んでいる。同社開発本部の神永美佐子部長は「料理は五感で楽しめるため、強い充実感が生まれる。また要介護状態になっても、自分で何かを作れるという自信は、生きがいにも繋がる」と話す。

 東京・自由が丘の大通りに面した同施設は、まるでカフェのようなお洒落な外観。料理という文字もあるため、一般の人が「何が食べられるんですか」など、間違えて入ってくることもしばしばだという。「お稽古事をしている感覚で通ってくれるように、外観からも雰囲気を出す工夫をしたが、むしろ介護サービス事業所であると、もっと強調しなくてはいけないかもしれない」と神永さんは苦笑する。実際にデイサービスではなく料理教室に通っているつもりだと話す利用者もいる。「デイサービスにネガティブなイメージを持っている人にこそ、受け入れられやすいのかもしれない」と推察する。保険外でもぜひ利用したいという問合せも多く、実際に数人が自費で利用している。

豊富で本格的なメニュー

0515cook2.jpg 実際に料理をするのは利用者自身で、職員はあくまでサポートに徹する。350種類を超える専用のレシピは、常駐するシェフと管理栄養士を中心に考案しており、和洋中華、メインからデザートまで多岐にわたる。いずれも▽食べやすさ▽調理の手軽さ▽見た目の楽しさ――をポイントにしつつも、かなり本格的だ。

 取材当日のメニューは、ひよこ豆・キーマ・バターチキンの3種のカレーとナン、カチュンバーサラダ、レモンラッシーのインド料理フルコース。カレーはスパイスの調合から行い、ナンも生地をつくり、時間のかかるオーブンではなくフライパンで焼くなどの工夫を凝らし、約1時間で完成した。利用者からは「インドではこういうものを食べているのね」「カレーライスは作ったことがあるけれど、こういうカレーは初めて」などの声が上がった。

 インド料理のほかにも「なないろクッキングツアー」と題し、外国や日本各地の名物を作って食べる試みも、利用者からは本当に旅行をしているようだと好評。季節を感じてもらうために、桜の季節には桜餅やお花見弁当、クリスマスにはケーキ作りにも取りくみ、行事を全身で楽しんでいる。

家族の楽しみにも繋がる

 また料理をデイサービス内だけではなく、帰宅してからも楽しんでもらえるよう工夫を凝らしている。レシピはわかりやすく写真つきでまとめたものを、利用者に配布。使用する調理器具などは特別なものを使っていないため、参考にしながら家でも再現可能だ。

0515cook.jpg デイの利用料とは別に、1人あたり食材料費は1日1,800円。これに自費サービスとして行っている追加持ち帰りを組み合わせれば、作った料理を家族の分まで持ち帰ることが出来る。「デイから帰る5時~6時前後は丁度食事時。保温バッグに入れあたたかいまま持って帰るため、まるで本人が配食サービスを行っているようになっている」(神永さん)。今日はどんな料理を作ったのかと、帰宅を心待ちにする家族もいるという。

 同施設の平均要介護度は1.7と低めだが、8割が認知症患者。さらに要介護5の人も、車椅子に乗ったままキッチンで出来る範囲の作業をする。神永さんは「認知症や要介護度が重い人には、危なくてとても料理をさせられないと思っている家族もいるが、実際は長年やり続けてきた料理は体が覚えているし、本人もやれるならやりたいと思っていることがほとんど。その不安を取り除き、踏み出せる環境を作りたいと思った」と開設のきっかけを振り返る。

 同施設では年に2回、家族やケアマネジャーなどを招いて、利用者がちらし寿司やスペアリブなど、おもてなしメニューを披露する成果発表会も開いている。食べることが楽しいのは当然だが、家族が喜ぶ姿を見るのが、利用者が一番嬉しい瞬間なのでは、と神永さん。「料理は作るやりがいを生み、見た目から楽しめ、食べておいしいと良いことづくめ。これからもさまざまなメニューに取り組んでいきたい」と強調した。

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