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生き活きケア
生き活きケア(74) 介護老人保健施設「翔寿苑」2013年4月25日07時47分

将来見据え「在宅強化型老健」の認定取得
地域のケアマネと連携し、在宅生活応援施設を目指す

 埼玉県草加市にある介護老人保健施設「翔寿苑」(医療法人眞幸会、清藤大輔施設長)は、全国の老健の3%程度しか取得していない「在宅強化型老健」の認定を今年2月に取得。地域のケアマネジャーに対して、自宅での介護に困った場合、短期的に老健を利用し、再び元気になって自宅に戻ってもらう「リフレッシュ入所」を提案するなど、在宅生活応援施設として、繰り返し利用してもらえる施設づくりを目指している。

 「翔寿苑」は1996年に開設した地上3階建の老健。1階が通所リハ、2・3階部分が定員108人の入所棟になっている。

 「2025年時点で在宅復帰力の弱い老健は、単なる住まいになるという話が公然と語られる中、私達の施設でも老健の将来に危機感を持ち、在宅復帰型への改革に取り組む決断が行われました」。こう話すのは、改革の担い手として昨年4月に施設長に就任した清藤大輔施設長。

 12年の報酬改定で新設された「在宅強化型老健」へ移行する場合、在宅復帰率50%以上、ベッド回転率10%以上などの要件をクリアする必要がある。

 同施設では、安定していた稼働率を崩すことにつながったとしても、とにかく利用者を地域へと帰すという決断を行い、11年10月から「在宅強化型老健」へ移行するための取り組みを始めた。

「在宅復帰塾」に参加し、自立支援介護を修得 

 同施設が在宅強化型老健へと変貌を遂げる上で、大きなポイントになったのが「在宅復帰塾」に参加したことだ。「在宅復帰塾」は国際医療福祉大学大学院教授の竹内孝仁氏が講師を務めるインターネットを使った通信研修で、施設にいながら在宅復帰の理論を徹底的に学ぶことができる。

 中でも竹内氏が提唱する「およそすべての高齢者を元気で健康にする基本的なケア」は実際に体力がつく、認知力が向上する、尿失禁・夜間頻尿が減るなど、介護の現場で大きな効果をあげている。

 同施設でも「在宅復帰塾」に参加した結果、スタッフが水分、食事、排泄、歩行の基本ケアに集中的に取り組みはじめ、毎週、アセスメント総括表を用いたカンファレンスを開催するようになり、排泄の自立や認知症改善を目的としたサービス提供が徹底できるようになった。また、歩行などのリハビリも積極的に行うようになり、胃ろうで寝たきりの患者を常食に戻し、再び歩行ができるようになるなどのケースも生まれている。

「在宅強化型」への移行で月額180万円の増収

 「在宅復帰塾」で自立支援介護を身に付けた一方で、在宅復帰に向けては、昨年6月から週1回の「相談員ミーティング」を始め、本格的に戦略を練り始めた。相談員の体制を切り替えたほか、ターミナルケアにつなぐ形の在宅復帰も積極的に検討するようにし、これまでに2事例の在宅ターミナルケアも経験した。

 こうした取り組みの結果、昨年11月単月の在宅復帰率は83%を記録。過去半年間の在宅復帰率も66%となり、「在宅強化型老健」に必要となる半年間で50%の数字を大きく上回る結果になった。ベッド回転率についても今年の1月31日に「3カ月10%以上」を達成。2月1日付で念願の「在宅強化型老健」の認定を取得した。

 清藤施設長は「在宅強化型」認定後の影響として、「利用者や家族の間で、これまでの老健に対するイメージが一新されたほか、職員が提供するケアに自信とやりがいを覚え、現在はおむつゼロなどの新たな課題に挑戦しています」と目を細める。また、経営面でも月額180万円程度の増収につながっているとその効果は絶大だ。

リフレッシュ入所などの利用方法を提案 

 3月15日、「翔寿苑」では地域のケアマネジャーを集めて「在宅強化型老健」の説明会を開催。その中で清藤施設長は「在宅強化型老健」の存在意義を「分かりやすく言うと在宅生活応援施設というようなイメージ」と説明し、在宅生活で利用者の体が弱ったり、認知症が悪化したりしたときに、短期的に老健を利用し、再び元気になって自宅に戻ってもらう「リフレッシュ入所」などの利用方法を提案。また、ショートステイの数を現在の1床から3床に拡大する考えや、老健として対応可能な医療行為の範囲なども説明した。

 清藤施設長は「地域のケアマネジャーに在宅強化型老健の特徴や存在意義などを知ってもらい、介護の駆け込み寺のような繰り返し利用してもらえる老健を目指していきたい」と話している。

  • 清藤大輔施設長.JPG












  • 清藤大輔施設長
  • 埼玉県草加市にある老健「翔寿苑」.JPG












  • 埼玉県草加市にある老健「翔寿苑」

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