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生き活きケア
生き活きケア70 「富山市角川介護予防センター」2013年1月30日10時39分

温泉で運動し、活力あふれる高齢者の都市目指す

 富山市が介護予防に本腰を入れている。その象徴が一昨年7月オープンの温泉を活用した「富山市角川介護予防センター」(一島志伸館長)。利用できるのは要支援者や二次予防事業対象者、虚弱高齢者らのみ。高齢期を元気にすごしてもらい、結果として要介護者の増加を抑制することが目的だ。センターでは水中運動療法や温熱療法などバラエティに富むプログラムを用意。利用者の運動能力を継続して観察するなど介護予防の科学的研究にも取り組んでいる。要介護者の増加とそれに伴う介護保険財政の逼迫は社会保障における大きな課題。同市の試みはその課題解決のヒントになりそうだ。

 富山市角川介護予防センターの最大の目玉は温泉を利用した水中運動療法だ。長さ25mのプールをはじめ、床にアップダウンを設けた1週40mの水中ウオーキング、歩行困難者が足を伸ばし下半身だけ温泉につかる下半身浴、道具を用いた水中運動などのメニューがあり、お風呂につきもののサウナも「ドライ」「ミスト」「ウエット」の3種類がそろっている。

 「富山には温泉療法で著名な鏡森定信先生がおられ、大学での研究も熱心です。そうした地元の専門家の科学的アドバイスも得て温熱療法や水中運動療法のプログラムが組み立てられています」(一島志伸館長)。

 もちろんスタジオでの健康体操、マシンを利用したパワーリハビリ、健康的な歩き方を身につける屋外気功療法など、温泉以外の介護予防プログラムも満載。中には和漢・海藻パック、アロマボディケアなども皮膚の老化予防やリラクゼーションを目的したプログラムもある。

 さらに同施設の充実ぶりを物語るのは医師4人がローテーションを組み必ず常駐している点だ。「要介護者は対象外ですが、利用者は身体のどこかの機能が落ちている65歳以上の高齢者。バイタルはもちろん、これまでにかかった病気、現在の服薬状況などは必ずチェックしますが、いつ何が起こるかわかりません。医師の常駐は運営上欠かせない条件です」と一島館長はメディカルなバックアップ体制の重要性を強調する。職員は27人で医師、看護師、OT、PT、管理栄養士など何らかの有資格者がほとんどだ。

 ともすればこうしたセンターは近隣住民のみの利用になりがちだが、同センターは16人乗りのバス4台をフル稼働させ、富山市内をくまなくめぐり、利用者宅まで一軒一軒送迎。また利用者の身体状況に合わせて、実施メニューと運動時間を個々に組むというキメ細かいサービスを提供している。

 1日の利用者は約250人。「リピート率は高いので、どにかく1度体験してもらうこと」と同氏。無料体験会を開催したり、地域包括支援センターを通じて呼びかけるなど利用者を増やす努力を続けているそうだ。運営は民間に委託。利用料金は「体験コース」(1カ月に4回)6000円、「3カ月コース」(3カ月に24回)1万9200円。会員の場合は月会費7000円、年会費7万円。

 同センターでは利用者の歩行能力、移動能力、下肢筋力を利用開始前と利用後3カ月に測定、予防効果を科学的に追跡している。「3つの能力とも有意に改善されています。介護予防効果を科学的に分析したデータは少なく、ぜひそれをこのセンターで証明したい」と一島館長は、普遍的な介護予防プログラム確立に意欲を見せている。そのことは介護保険費用の削減にも役立つはずだ。

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  • 水中ウオーキングは転倒予防に効果的


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  • ドライサウナは段によって温度が異なる


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  • 富山市ではパワーリハビリが盛ん


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