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介護の専門性って何だろう 石本淳也 (介護の日しんぶん2016)2019年7月25日12時32分

 

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 皆さんは「介護」という言葉に対して、どんな印象を持つでしょうか。

 「介」の字には付き添う、世話をするという意味があり、「護」は庇う、守るという意味があります。

 介護経験のない多くの人は、漢字の固い印象の通り、「誠実さ、根気強さが強く求められる大変な仕事」というイメージを持っているのではないでしょうか。マスコミ報道の影響などもあり、残念ながら今日の介護へのイメージは、「辛い」「厳しい」など明るいとは言えないもので、ほとんど固定化されているのが実情です。

 

介護の専門性って何だろう

 しかし実際の介護は一口では語れない多様性を持つ仕事です。額に汗しながら利用者の排泄ケアをすることだけが、介護ではありません。天ぷらを食べてにこにこ「美味しいね」と言い合うのも、利用者を看取り涙する場面も、等しく介護です。

 裏を返せば、身体介護の技術だけでなく、生活を支える全てに専門性が求められるともいえます。

 「介護の専門性」というと難しく感じるかもしれませんが、わかりやすくいうと「どうすればこの人の生活の質をあげられるか」という意識を持つことです。例えば会話一つとっても、内容はもちろん、話しかけるタイミングなどによって相手の反応は変わるでしょう。

 具体的な行為ではなく、その人にあったアプローチをとるための判断力と、その判断を取るために必要な、日頃のケアの中での情報収集力こそが、介護の専門性の基盤です。

 

プロの介護とは

 体が思うように動かず、「おむつを替えてもらう」「食事をさせてもらう」ということを、人間は一生のうち2度経験します。1度目は人生の始まりである赤ちゃんのとき、そして2度目は人生の終着点である高齢期です。赤ちゃんの時はお父さんお母さんがいますが、高齢になられてからの世話は誰が担うのでしょう。昔は大家族が当然だったため、お嫁さんや娘さんが世話をされていたことが多かったのですが、核家族化や未婚率が上がっている現在ではそれも難しいのが現状です。

 そこで求められているのが介護を受ける人だけでなく、その家族や地域も支える介護の専門職です。さらに一歩進んで、している側も気持ち良い介護こそが、本当の「プロの介護」といえるでしょう。

 介護の仕事の最大の魅力は人間として成長できる点です。終末期に寄り添う中、高齢者は人生の道程から幕の引き方までも示してくれます。これほど学びを与えてくれる仕事は、他にないと思います。

 プロの達成感が高まって行けばさらなる質の向上、そして評価に結び付く良いサイクルを作ることができます。そうすれば、辛いだけではない本当の介護をより多くの人に知ってもらうことにも繋がるかもしれません。

 

介護職に求められること

 今後の介護職には、さまざまな情報に対してアンテナを張り、視野とコミュニティを広げる努力がますます求められてくるでしょう。

 例えば、地域包括ケアシステム構築に向けては「連携」がキーワードとされており、他職種と肩を並べる機会も増えてきます。そのときに、医者などと同等の立場で語れる共通言語を持つ必要があります。

 介護職は原則医療行為を行えません。これは医療行為に、介護とはまた異なった高度な専門性と技術が求められるため、安全性の観点から法律で決まっていることです。ですが、「医療知識を身に着けてはいけない」とは誰も言っていません。

 気後れしてしまうこともあるかもしれませんが、介護職の視点からでないと気付けないことはたくさんあります。それが利用者の生活の質向上に繋がる可能性は非常に高いです。

 最初の一言が「不勉強ですみません、教えてください」でもいいのです。範疇外と躊躇せず、学ぶことに対して勇気を持ってほしいと思っています。

 また現在の介護のイメージを変えることも、介護職でないとできません。実際の現場では介護に対してのイメージは、けして漢字だけではないはずです。ひらがなで柔らかい「かいご」を想起する人もいれば、スタイリッシュなローマ字の「KAIGO」を目指す人もいるでしょう。ちなみに私自身は「かっこいい」「インディペンデンス(自立)」「GO!GO!」の略だといつも言っています。ぜひ自分の目指す姿を明確にし、介護の持つさまざまな魅力を発信していってください。

 

(介護の日しんぶん 2016年11月11日)

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