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【現場最前線の今・49】 発達障害の人たちの個人生活支援 1-12011年5月31日00時32分

 2011年4月から、大阪を中心に特定非営利活動法人自閉症eサービスが活動を開始する。この団体は、筆者が設立当初から理事長を務めてきた特定非営利活動法人BONが名称変更をし、支援者の育成・研修や施設コンサルテーションの活動をおこなってきた任意団体の自閉症eサービスと事業統合したものだ。

 主な事業は3つで、余暇支援(自閉症の子どもたちが参加するキャンプや旅行の企画・運営)、人材育成(支援者向けの講演会・トレーニングセミナーの開催)、コンサルテーション(施設や学校への専門コンサルタントの派遣)をおこなう。今後はさらに、就労支援(発達障害の大学生・大学院生を対象とした就労移行支援事業所の開設)と相談支援(当事者・家族・支援者への個別相談)の事業化を計画している。

 筆者が日々出会う発達障害の人たちの日常風景を描写しておく。そうすることで、自閉症eサービスが果たすべき役割や各支援機関に求められているものを明らかにしていきたい。これから出てくる人物はすべて仮名であり、何人かのエピソードを組み合わせて紹介する。

 ミドリちゃんは4歳の可愛い女の子。昨年、広汎性発達障害と診断された。保健所の1歳半検診でその疑いがあると指摘されたが、医療機関がどこも満杯で確定診断が今になった。両親はミドリちゃんに適切な療育プログラムを受けさせたいと思っているが、この地域には幼児期の発達障害に特化したサービスはない。保健所に勧められて、知的障害の子どもたちが通う通園施設に行ってみたが、保母さんの怒鳴り声と子どもたちの泣き声にミドリちゃんはおびえ、母親にしがみついて離れようとしない。ミドリちゃんは今も在宅だが、最近弟が生まれ、母親は育児ノイローゼ気味だとのこと。

 カズキくんは特別支援学校の中学部に在籍、重度の自閉症だ。物の位置や手順へのこだわりが強く、学年が変わる春の時期は特に行動が止まってしまう。最近の話では、服のしわが気になって着替えに1時間以上かかったり、玄関から出るときのタイミングが取れずにドアのところで行きつ戻りつを繰り返したりしている。周囲が彼の行動をせかしたり制止したりすると、カズキくんは奇声をあげて強く拒否する。家族は「彼の行動を見守るしかない」と思っているが、学校で止まってしまうと先生が二人がかりでカズキくんを連れていくこともある。そうするとカズキくんは余計イライラして、先生を叩きに行ったり自分の手を噛んでしまったりする。


(その2へつづく)

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