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シニア住まい塾《84》容易ではない「住まい相談窓口」の運営2014年7月 8日15時53分

 「シニア住まい塾」には、最近「住まい相談窓口」を開設したいという相談が増えています。

 今までは定年退職者の方からの相談が多かったのですが、最近では30~40代の現役サラリーマンも相談に見えます。今の企業は厳しいようで、「企業内に居場所がない」とか「営業成績が上がらなくてつぶれそう」と言ってきます。その結果、「高齢者の住まい相談窓口の開設」に目をつけるようです。

 私のようなおばさんができるのだから簡単と思われているのでしょうか。インターネットで開設している所が多いので、その線で考えている、と言います。

 シニア住まい塾は、対面での相談が主で、会員制にしています。つまり運営費は会費が主です。会員さんにはスタッフが取材した5~6カ所の施設の記事の載った会報を2カ月に1度発行し、年に10回、施設の見学会、またはセミナーに参加できる仕組みです。

 その会員さんを集めるのは、本当に大変です。シニア住まい塾は「年金で生活できる住まい」をメインにしているので、会員さんからの相談は、高額な有料老人ホームを希望する方はめったにありません。

 遠方からの電話相談もありますが、シニア住まい塾スタッフが丁寧に歩いている施設は主に神奈川県なので、会員も神奈川の人が主です。

 相談日は予約制にして、その方と相談員だけで約2時間話します。この相談は、その人を裸にする作業とも言えます。

 年金額や、入居金はいくらまで払えるか、入居金を支払ったあと医療費などの予備金はあるか、保証人はいるか、持病はないか、持病がある場合、通院介助に自費ヘルパーを頼むと費用はこのくらいかかるなど、細かい所まで話します。こういう内容をネットの相談所の場合、どこまで把握して終の住処を提示するのか不思議に思っています。

 相談窓口を開設したいという人にその辺をきくと、込み入った話は近くの喫茶店で、と言いますが、他の人がいる中でそんなプライベートなことを聞けるものでしょうか。それにその場で提示する資料などは、どうするのでしょうか。

 シニア住まい塾には、いろいろな施設からのパンフレットや資料がたくさん置かれていて、相談者にはその場でパンフレットや資料を提示しています。提案はしますが、決めるのはあくまでも本人です。プライベートな相談内容や資料の置場のことを考えると、他の人に聞かれない事務所は必要だと思います。

 定年退職した人で開設したいという人は、「私には部下がたくさんいるから」とか「同僚で親の介護に困っている人が多いから」と言いますが、元上司だった人にそんなことまで知られたくない、という人の感情があります。

 親友ならともかく、元同僚や上司にはしにくい相談です。相談するなら知らない人の方がしやすい、という気持ちはあると思います。また相談窓口は、人が人を呼んでくれるところです。インターネットで人が集まるのか、私には分かりません。

 もう一つ、相談窓口の大事な役割は、入居した人に住まいでトラブルが起こったときには、施設側と話し合いができるか、できないかです。この関係作りのためには常に施設や有料老人ホームの施設長や生活相談員とコミュニケーションをとっておかなければなりません。施設に対して痛いことも言わなければなりません。

 また、「この方は集団での生活は無理」と思える人には、自宅で最期までということを私どもと一緒に考えます。

 窓口の相談員は、常にあちこち取材に行き、入居後の様子を訪ねたり、施設内の変化を随時記録したり、改善を求めるなど忙しいです。さらに自分の終の住処を探す前に背負っている問題を片付けたい、という宿題を持っている人もいます。それらも専門機関を探したり、適切な所を紹介することなども必要です。

 施設紹介業の専門家を育てる民間資格もできたそうです。そこに行って勉強したから、相談窓口を開設して、生活の糧にすると、こちらに相談されても困ってしまうのです。

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住まいの見学会のようす

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