ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

その他コラム
シニア住まい塾《87》 セコム在宅総合ケアセンター鎌倉2014年10月21日17時11分

訪問介護/看護、通所に訪問リハもついた総合ケアセンター

 厚生労働省は、地域包括ケアシステムの構築を進めており、住み慣れた地域で最期までと舵を切っています。小規模多機能型居宅介護、複合型サービスに各市町村とも力を入れ始めてきたものの、運営費が大変、介護職員が集まらないなどの理由でなかなか思うようには増えていません。

 そんななか、鎌倉にできた「セコム在宅総合ケアセンター鎌倉」に行ってきました。セコムのグループ会社「セコム医療システム」の運営で、訪問看護、訪問介護、通所介護、居宅介護支援の4サービスを1つの拠点にまとめたもの。さらに別法人の訪問リハビリも付いています。

 この地域は、竹寺で有名な報国寺、鎌倉で一番古い杉本寺などがある鎌倉の奥座敷で、この土地を愛して住み続けているお年寄りの多い地域です。

 地域に溶け込むような趣ある薄墨色の外観、もと料亭であった庭や借景はそのまま生かした建物も魅力のひとつ。建物内は、縦長の空間で玄関脇には訪問介護、訪問看護、居宅支援事業の事務所。その先に小上がりの畳が敷いてある憩いの場、さらにその先は、リハビリ機器が数点。真ん中あたりに食堂、料亭の庭が見える一番奥が通所スペースとアイランドキッチン。それらがワンルームになっているので、広々とした空間です。

 訪問したのは真夏の暑い日でしたが、館内全体は天然クーラーがきいて、小さな扇風機のみで充分でした。窓という窓から、竹林をはじめ緑をたっぷり取り込んでいました。

 今年4月の開設で、新規のデイはどこも集客に苦労するのですが、ここはあっというまに15人定員が満杯になり8月より30人定員へ再申請しました。通所の利用時間は、午前11時半から夕方6時半までで、晩ご飯のあと、歯磨きも済ませてから送っていくので、家族からも喜ばれているそうです。

 昼ご飯は、鎌倉でもおいしいと評判のご飯屋さんからおかずだけ取り寄せ、ご飯と味噌汁は手作り。晩ご飯はすべて手作りです。

 要介護4、5の人も受け入れており、認知症の人も8割方います。通所介護と訪問介護との組み合わせを希望する人が多く、今までどこも受け入れてくれなかった、という例も受け入れています。

 お風呂は2階に個室が2つあります。洗い場も広く、浴槽の前後の台が外せるので、介護度の重い人は浴槽の前後に介助ヘルパーが入り、2人で介助して浴槽に入れます。「思ったより、入浴希望者が多いです。その分ヘルパーががんばってくれます」というのは責任者の金子千里さん。

 このセンターの特徴は、専任と決まっていない職員は、可能な範囲内で所属部門の垣根を超えて介護や看護に携わることです。金子さんも看護師、ケアマネジャーの有資格者ですが、入浴介助も排泄介助もします。元々鎌倉駅の近くで訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を長くやっていた経験が生きています。在宅のヘルパーは、1対1でその人の生活全般を支えているので、重度の人をきっちり看られるだけの力を蓄えたヘルパーが多いのが、原動力になっています。

 訪問看護は24時間対応で夜間も1人います。もう一つの大きな目玉は、訪問リハビリがあること。セコムの提携病院である医療法人社団三喜会の鶴巻温泉病院・訪問リハビリテーションの地域事業拠点をこのセンターに併設しました。現在理学療法士、作業療法士が計6人いて、医療保険での訪問リハビリをしてくれます。在宅で1対1のリハビリが受けられるのは大好評です。

 「どうして宿泊のついた小規模多機能施設にしなかったのですか?」と聞くと、「夜勤者の人件費を考えると、プラスにならないんです」。どこの小規模多機能も、宿泊者が1人でも夜勤者をおかなくてはならず、その人件費を捻出できない、と言われます。小規模多機能型の宿泊室は5~9室ですが、そのうちの半分は埋まっていないと採算が合わないそうです。

 セコムが成功しているのは、10年以上前からこの地で訪問介護をスタートさせ地域の方より高い支持を得ていたことと、同社のホームセキュリティを利用しているお宅が多くファンが多かったこと、スキルを積み上げたヘルパーを抱えていること、看護師や理学療法士、ケアマネの専門家がその場で意見交換をできるシステムにしたこと、鎌倉らしい高級感のある建物を建てるだけのセンスと経済的体力があること――などでしょう。

 利用者も夜は家で寝ることで安心できるのかもしれません。家に居るときにはヘルパーも看護師もリハビリも顔なじみの人が来てくれる、家で最期までが可能だと本人も家族が思えるシステムではないでしょうか?

 国の制度の変化に戸惑うよりも、現場から「こうすれば在宅で最期まで大丈夫」というアピールをすることも大事だと思う例を見せていただきました。

セコム在宅総合ケアセンター鎌倉

神奈川県鎌倉市浄明寺5-1-24  ☎0467・24・9350

0925senior.jpg

手前がリハビリ機器、真ん中が食堂、一番奥が通所サービス 

「その他コラム」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール