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シニア住まい塾《96》昨今の有料老人ホーム入居者模様2015年8月20日16時01分

 介護保険制度が変わる中、有料老人ホームの入居者模様にも変化が見られます。

 最近では、夫婦であっても別々の有料老人ホームに入居する例があります。これはごく最近の特徴です。

0419senior.jpg どちらかが要介護状態になり、片方だけが介護専用の有料ホームに入る例は以前からありました。これは主に資金面の問題ですから、要介護者になった方だけが有料老人ホームに入り、片方は家に居る、というケースです。

 介護専用の有料老人ホームは月費用が約20万円しますので、年金生活者ですと1人が民間ホームに入ると残った方の生活費も厳しく、これはやむを得ずの例が多いです。今度の制度改正では、合計所得金額160万円以上の人は利用料の負担が2割になるので、さらに大変になるでしょう。

 それらの事情とは別に、夫婦がまったく別のホームに入る例が、「シニア住まい塾」で2例続きました。夫婦別々のホームに入る例は、資金面は豊かなご夫婦でした。妻は、「もう充分夫の世話をしてきた。夫の親も看送ったし、子育ても済みました。これからは私自身のために時間を使いたい」という強い希望がありました。

 「それに介護の専門家がいるホームに入るのに、私と同室だったら夫は私を頼ります。結局は夜中のおむつも私が替えることになる。同じホームの隣の部屋でも、ドアの開け締めの音が聞こえれば気になるし、ベッドから落ちる音が聞こえたらもっと気になる。食堂で夫が1人で御飯を食べているのをみたら、わびしくなります。見えるから、聞こえるから気になるので、いっそ別々のホームで暮らしたい」という妻の希望をご主人は受け入れました。

 現在、別々のホームに入り、ご主人は昔からやりたかった郷土史の勉強に励み、奥様は昔の友人との旅行や趣味を楽しんで、たまに2人で食事などをしています。

 これは珍しい例ですが、今後どちらかの介護が始まったら、頻繁にお見舞いに行くかどうか?そのときにはもう1人の方も足が痛いなどの不具合が出てきて、行けなくなるかもしれませんが…。いずれにしろ、老後は別々に過ごす、という選択肢も加わるのかもしれません。

 先日は、時代は変わったのかなという相談がありました。

 同じホームの別の居室に入る例です。有料老人ホームは入居時の一時金は、年齢別になっている所が多く、今回の例でも78歳のご主人は700万円ですが、72歳の妻は1,000万円です。それを夫の預金から支払います。「夫の預金で支払うと贈与税に関係するのでしょうか?」という質問でした。

 シニア住まい塾では、初めての質問内容でしたので、有料老人ホーム協会に聞いてみました。「入居一時金は払う時には贈与税は関係ない。しかし、償却期間内に夫が亡くなったりして返還金があった場合は、その金額に贈与税がかかります」とのこと。

 もう1人弁護士さんに聞きました。「有料老人ホームは時々分譲の所がありますが、ほとんどは終身利用権です。終身利用権の場合は、夫の預金ではあっても問題なし。贈与税は不動産の登記がされたときに発生するので、入居金の段階で預金の残高を確かめるようなことはまずない」とのことでした。月々の費用は、生活費と見なされるので夫の預金から出しても、贈与税の心配はないそうです。

 いずれの場合も妻側が質問してくるのです。妻の方が長生きをするので、妻は夫の預金額や年金の目減りには敏感です。そうかといって、妻側がまったく冷たいということではありません。夫が入ったホームに1日おきに80歳の奥様が電車とバスを乗り継いで通っている例があります。

 ご主人の嚥下力が劣ってきてミキサー食になり、食欲がぐっと落ちてきたそうです。奥様は離乳食用の缶詰はおいしいと孫娘から聞いて、それを1日おきに電車に乗って杖を持って行っているのです。「お父さんは私が行くと本当に喜んでくれるので」といいながら、腰が曲がりかけているおばあさんが、一生懸命に通っています。人生いろいろ、夫婦もいろいろです。

 シニア住まい塾は、住まいだけでなく、人生について、夫婦のあり方について、じっくり勉強させてもらえる場所です。

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夫婦でも別のホームに入るケースもある
 

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