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我々の主張
2012年度改定に向けて「日本認知症GH協会 副理事 岩尾貢氏」2012年2月 6日20時00分

認知症ケア根底揺るがす軽度者報酬引き下げ

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日本認知症グループホーム協会
副代表理事 岩尾 貢氏

 

 

 

――介護度による差が大きくない(フラット型)グループホーム(GH)の基本報酬が見直されようとしている。

岩尾 施設系や小規模多機能に比べ、要介護2まで報酬が高いがGH。それには根拠があり、当協会はフラット型堅持の要望書を関係先に提出、給付費分科会のヒアリングでも強く訴えた。

 認知症ケアは身体介護モデルでとらえるものではない。職員の手間と要介護度が一致せず、比較的体が丈夫でも、行方不明になったり、他人と上手に関われない人がいる。そういう人でも職員が時間をかけ良質な認知症ケアを提供すると落ち着くことは実証済み。そのことで現場職員のモチベアーションも上がるのだ。認知症の場合、要介護1、2の人に対する手厚いケアが求められるものであり、それが結果として重度化防止にむすびついていると言えよう。

 仮に経度者の報酬が引き下げられると、それは認知症ケアの根底を揺るがすものだ。表面的な現象に対する身体介護しかできなくなるおそれがある。経営のみを追求し、介護度の重い人のみを引き受けるGHが出てくるかもしれない。軽度のときから深く入所者に関わり、手厚いケアを重ね、重度あるいは最期まで看取るというGHの今の流れに逆行するものだ。

――経営実態調査では軽度者ほど収支差率が高い。

岩尾 特養などに比べはるかに規模の小さいGHは、わずかなコストの増減で収支差率が大きく変わる。事業者間で経営状況のばらつきが大きく、実態調査の数字のみで報酬を論じるのは乱暴な話だ。GHは1ユニット6人の職員で制度設計されているが、協会調査では8人近く配置されている。6人では有給取得どころか夜勤体制も組めないからだ。8人体制ではそれだけ給与を抑えなければならず、さらに要介護1、2が引き下げられると、職員の処遇改善どころではない。

 また1ユニット、2ユニット別々の報酬体系もテーマとなっているが、2ユニットでも小規模であることに変りはない。小規模同士をさらに分類することなどナンセンスではないか。むしろ良質なGHを増やし、それに対するインセンティブをどう与えるかなど本質的な議論を望みたい。

――2ユニット1人の夜勤職員配置の例外規定を廃止し、1ユニット1人の配置となりそうだ

岩尾 それは協会も要望していることだ。今でも2ユニット2人配置が全体の80%以上を占めており、質の向上という点でも自然な流れだろう。同時に夜間ケア加算の取得条件の緩和も要望している。今の加算要件では現実的に算定は無理だからだ。

 また次期改定に向けて短期利用の条件緩和や看取り介護加算も議論になっている。短期利用は地域包括ケアシステム推進のためにも重要な施策。今は、指定後3年以上などが要件となっているが、地域全体で認知症を支えるためにも善処を期待している。

 さらに前回改定で看取り加算が新設された。GH退去者のうち、1割以上がGHで最期を看取っているのが実態だ。GHを終の棲家と思い、GHで最期を迎えたいと思われている本人、家族は決して少なくない。GHもそうした要望にしっかりと応える時代になっている。GHにおける看取りの質や手法についてはこれからもっと考えるべき大きなテーマだろう。

ただ現実問題として看取り介護には多大な労力が必要であり、施設における看取りと比較しても加算報酬は低く抑えられている。十分な看取り体制を構築するためにもGHにおける看取り加算を厚くしてもらいたい。

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