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我々の主張
2012年度改定に向けて「認知症の人と家族の会 代表理事 高見国生氏」2012年1月12日18時00分

 「個々の条件にマッチしたサービス提供ができる制度に」 

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認知症の人と家族の会
代表理事 高見 国生 氏

 

 

 

――09年の改定では認知症に対する加算が数多く設定された。

高見 加算が設けられたことは認知症のケアの大変さ、難しさが認められたことであり、前進といえよう。確かにここ数年認知症ケアの質はアップしている。ただそれは加算のおかげというより、事業主や介護職員の努力による側面が大きいと思う。

 介護保険がスタートしてから認知症のケアがずいぶん楽になり、その恩恵を受けていることは事実だ。ただ現在の介護保険法では認知症対策に対する基本的なスタンスが定かではないように思われる。今回の改正では24時間巡回型など新サービスが設けられたが、一般論としてその必要性は理解ができないこともないが、認知症とその家族が新サービスの対象になることはないだろう。その意味では今回の介護保険改正は満足できるものではない。

 さらにいえば「認知症ケア」という言葉は定着しているが、人によってその解釈が違うように思う。そこで現在家族の会でその定義を明確にする予定だ。

――昨年要介護認定廃止を打ち出し、話題になった

高見 現在の要介護度の判定は決められた項目を調査し、介護度をコンピューターが判定するというもの。その方式はおかしいと主張しているだけで、介護保険を否定しているわけではない。我々は認知症の患者を想定しているわけだが、本来要介護の人は病気、住居、家族、ADLなど一人ひとり条件が異なるのに、今の認定方法はそれを無理やりモデル化しようとしている。そうではなく、サービス担当者会議でいろいろなファクターを取り出し、その結果どういうケアが必要か。サービス担当者会議でケアの内容を決めるべきだという主張だ。特に認知症の場合BPSDなどはさまざまで、コンピューターで判断できるものではない。サービスの量が増えるという意見もあるが、専門職の判断だから、家族のわがままなどは却下され、不要なサービスが増えることはない。

 認知症は医療、ケア、社会の3者がうまく役割分担して支え合わなければなければならない。医療技術は飛躍的に進歩し、介護技術も大きく進歩した。しかし認知症の人が暮らすための社会的支援は遅々として進まない。そのことが一番の問題だ。

――今回の報酬改定で重点的に主張したいことは

高見 介護職員の処遇改善は我々も主張しており、そのためには報酬アップは欠かせない。介護保険を充実させるには国民も応分の負担は必要だ。それでも我々利用者の立場からは具体的にどの部分をアップすべきだとは言いづらいのが本音だ。ただ絶対的に不足している特養の数を増やすことと、認知症本人と家族にマッチした小規模多機能型への配慮は主張したい。

 家族の会では今年の大きなテーマの一つは家族支援とは何かをはっきりさせること。そもそも家族の会が30年前に設立されたのは、家族があまりに苦しいから何とかしてくれ、家族のレスパイとケアのためだった。認知症の人をどこかで預かってほしいというのが要望だった。

 介護保険は家族支援ではなく本人の支援が目的だが、デイサービスやショートステイはあくまでも本人支援だが、家族のレスパイトケアにもなっている。ではそれらを充実させることで家族支援が十分かといえばそうではない。設立当初は4人家族、6人家族が会員の大半を占めていたが、今は家族の会の会員は独居と2人家族を合わせると半数。老老介護、認認介護が増え、認知症患者がショートステイにいくだけでは残された1人は完全に休まることはない。新しい家族支援のあり方をかくりつすべきだと考えている。

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