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我々の主張
2012年度改定に向けて「日本栄養士会 会長 中村丁次氏」2012年2月10日08時00分

「地域包括ケアに管理栄養士の活用を

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日本栄養士会
会長 中村 丁次 氏

 

 

 

――地域包括ケアにおける栄養士の役割は。

中村 地域の中で医療、保健、福祉を包括的に展開していくという国の方針は、栄養政策においても同様であり、我々もその方向で取り組みを進めている。ただ、地域包括支援センターに管理栄養士の配置がないように、疾病予防や介護予防の基礎となる栄養政策が、地域包括ケアの中には十分に位置づけられていない。そのため、我々は独自に地域の拠点となる栄養ケア・ステーションを47都道府県すべてに設置してきた。ここでの実績を積み重ねることで、地域包括ケアを展開する上での栄養専門職の配置を訴えていきたい。

――通所系サービスの栄養改善加算や居宅療養管理指導など、在宅介護の栄養サービスがほとんど利用されていない。

中村 我々の調査では、通所系サービスの栄養改善加算の算定率が低い理由について、「介護支援専門員からの依頼がない」「必要書類や手続きが煩雑」「採算性が得られない」などの実態が浮き彫りになった。そのため、当会では介護支援専門員が食生活や栄養に関して課題のある高齢者を簡単に把握するための「高齢者用簡易栄養状態アセスメント票」を開発した。今後、こうしたツールの活用や加算そのものを増額してもらうことで、栄養改善を適切に実施してもらいたいと考えている。

 居宅療養管理指導については、医師からの指示が受けられる拠点を栄養ケア・ステーションなどにも拡大するとともに、老健や特養の管理栄養士を十分に活用できる仕組みも構築してもらいたい。

――介護施設では利用者の重度化が進んでいる。

中村 介護度が重度化したとしても、口から物を食べたいという利用者の願いは変わらない。一方で現場では、経管栄養がこの間急速に普及している。不適切な胃ろうを増やさないためにも、この分野の専門職が必要であり、その部分は管理栄養士が担っていくべきだと考えている。

 そのため日本栄養士会では、経腸栄養管理や静脈栄養管理に特化した知識や技術を身につけるためのTNT-D研修に力を注いでいる。この研修プログラムを受講し、試験に合格した者を「TNT-D認定管理栄養士」として認定しているので、是非、現場で活用してほしい。合わせて介護施設での経口移行や経口維持の支援がこれまで以上に取り組まれるよう、算定要件の緩和についても検討してもらいたい。

――将来的に介護が必要な高齢者の数を増やさないためにも、低栄養状態の高齢者に対する適切な対応が求められている。

中村 低栄養状態のリスク者に対しては、早い段階での適切な食事提供と栄養マネジメントが有効とのエビデンスが出ている。日本栄養士会では、高齢者介護に有効な栄養マネジメントに特化した「NMT認定管理栄養士」の養成も行っている。来年度には約400人の資格者が誕生する予定であり、この「NMT認定管理栄養士」が実施する質の高い栄養ケアマネジメントを適切に評価、活用してもらいたい。

 栄養士の資格者は、全国に70万人いる。将来的に要介護高齢者を増やさないためにも、地域に点在している栄養士をもっと有効に活用していく方策を検討してもらいたい。

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