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我々の主張
2012年度改定に向けて「日本ホームヘルパー協会 会長 因利恵氏」2011年11月24日13時00分

「身体介護と生活援助の一本化を訴える」

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日本ホームヘルパー協会
会長 因 利恵 氏

 

 

 

――09年改定の総括を。

  3%のアップは全て職員の処遇改善に充当されるという趣旨だったはず。それが必ずしも反映されていなとしばしば耳にする。また月額1万50000円の介護職員処遇改善交付金もほとんどの事業所で基本給には組み込まれず、一時金として支給されている。以前に比べ全体として給与が上がったのは事実だろうが、全産業平均からみるとあまりにも低すぎる。

 特定事業所加算の要件が緩和され、協会では条件を満たす事業主に対して加算の重要性を説明し、取得するよう要請してきた。それでも算定している事業所は3割程度と見られる。ケアの質が高いのなら利用者にとっても1割の負担増は決して重いものではないだろう。新設の初回加算や緊急時訪問介護加算は順調に算定されているようだ。ただそれらの加算によりヘルパーの処遇がどれだけよくなったのかは分からない。何らかの対策を講じて、改定後の人件費比率を開示させれば良かったのではないか。

 ――サービス提供責任者に関しては非常勤が認められた。

  サービス提供責任者には8つの業務が義務付けられており、その実施は非常勤では難しいということで反対してきたが、押し切られたという経緯がある。

 昨年当協会でサービス提供責任者の業務実態調査とその分析を行ったところ、過酷な実態が判明した。

 総業務時間の33.8%を「担当訪問」と「代行訪問」にあてており、「実績入力」や「給付管理」が8.6%を占める。実に4割近くの労働時間が本来業務以外の時間に割かれているのだ。

 それに対して訪問介護計画書関連の書類作成に要する時間はわずかに5.8%。本来業務以外に多くの時間を割かれ、じっくりと訪問介護計画を練る時間的余裕がないのが実態だ。同様に「ヘルパー業務の実施状況の把握」やヘルパー等への研修、技術指導」は5%前後。ヘルパーの質向上に寄与できないことがサービス提供責任者の大きな悩みとなっている。

 こうした実態を改善するために協会は昨年12月厚生労働大臣に対して①サービス提供責任者の訪問時間と受け持ち件数に上限を設ける②ケアマネジャー同様に1件ずつに対する報酬設定――などを柱とする要望書を提出した。多い人だと1人のサービス提供責任者で100人以上の利用者を抱えているケースも見られている。

 さらに要望書では常勤ヘルパーを4割以上配置できるよう報酬を設定することも盛り込んだ。多くの訪問介護事業所でヘルパーが6~7割がパートや登録が占めている。主婦の延長線上の労働力に頼っているのが訪問介護の今の現状だ。協会としてはヘルパーに介護福祉士の資格を取得するよう勧めるなど常勤化の努力はしているが、今後利用者が急増することを考えると、このままでは介護保険制度そのものの存続が危ぶまれる。

 また要件を満たせば在宅におけるヘルパーの痰吸引が可能になったが、施設と違いスタッフは1人、一般家庭ではバックアップ体制がないに等しい。事業主や行政に対してはきちんと連携が取れる体制づくりを望みたい。

 ――要望書以外で次期改定で主張することは

  長年訴え続けてきたことだが、身体介護と生活援助の一本化だ。身体介護に比べ生活援助が手間がかからないという根拠はなく、むしろ調理などは身体介護より難しいケースがある。同等の労力を必要としながら2倍近い開きがあることは理解しがたい。この実現はヘルパーの処遇改善に必ず結びつくと信じている。

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