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我々の主張
2012年度改定に向けて「日本介護クラフトユニオン 政策顧問 河原四良氏」2012年1月17日18時33分

 「介護報酬改定に一定のルールを」 

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介護クラフトユニオン
政策顧問 河原 四良 氏

 

 

 

――改正介護保険法では労働法規遵守の徹底が謳われた。

河原 これまでも労働法に違反する事業主に対して厳しい処分を下すよう要望してきたが、それがいくらかは反映されたと感じている。さらに市町村が介護保険計画を作成するときに「利用者のマナー向上」という趣旨の文をいれることになった。ユニオンのアンケートによると利用者からのセクハラ、パワハラを受けた経験のある介護職員少なくない。それがトラウマとなると介護の質が下がり、利用者、介護職員双方にとってマイナスになる。

 一方介護保険部会では働く人の目線での意見が少なかった。09年に介護報酬が3%引き上げられ、その年の10月から処遇改善交付金がスタート。そして民主党が職員の4万円引き上げを主張し、その後政権の座についた。この流れは介護職員に焦点があたりはじめたことであり、プラス材料だ。ただ最初に数字ありきで、現場で働く人自身の声、要望は何かとという意見が私以外に発言があまりなく、十分に議論されなかったことは残念だ。

――組合サイドが求める処遇とは。

河原 組合が元来求めているのは、賃金に関しては年収が450万円、時間給が1800円。これは全産業平均の数字。それと同時に離職の大きな原因は賃金のみならず職場環境の悪さにもある。例えば連休が気が兼ねなく取れるような環境で働く人は離職率が低いようだ。職場環境の改善も引き続き訴えていく。

 さらに財政面の観点から要支援を保険対象からはずあれたり、サービスの量が減少すると、結果として労働者は職を失いかねない。サービスの抑制が今後どう推移するか重大な関心を持って見守りたい。

 また私は保険料徴収は年齢を引き下げ20歳からと考えている。若い組合員からは反対意見がでることは承知している。ただ賛否両論が出たときには原点に帰って考えることが大切であり、介護保険の原点は「社会が高齢者を支える」。若い人も負担することでその原点が守れるのではないか。

――報酬改定では具体的に何を要求するのか。

河原 まず介護職員処遇改善交付金は次年度から介護報酬に組み込む。介護従事者の処遇に関しては労使自治の問題であり、国が直接介入すべきテーマではない。また対象が介護職員に限定されたために対象外職種の労働者と心情的な軋轢が生じ、チームケアという観点からも望ましくないだろう。また介護職だけに公費投入を継続していたら、他の産業で働く労働者、さらに社会全体から非難を受けることになりかねないからだ。もちろん処遇改善交付金を報酬に組み込むことで、その分他の報酬を引き下げるようなことがあって絶対ならない。

 それと介護報酬改定に一定のルールを設けることを要望した。組合員が将来の生活設計を描く場合、5年後、10年後の収入見通しが分からないと描きにくい。だから定期昇給を要求しているわけだ。同時にそれを実現するには経営者サイドにも将来計画が描けないと実現は難しい。

 現在は収支差率や人件費比率が一定程度加味された改定になっており、結果論で報酬が決まる。収支差率によって収入が左右されるようでは経営者も将来の経営の見通しがたてにくく、昇給のシステムも構築が難しい。少なくとも事業経営概況で示される収入に対する「給与比率と収支差率」との相関関係を分析・整理したうえで引き上げ、引き下げに関する一定の改定ルールを示すべきだ。

 

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