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我々の主張
2012年度改定に向けて「全国介護事業者協議会 理事長 馬袋秀男氏」2011年11月21日23時00分

「在宅重視をより鮮明にした報酬改定を」

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「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会 
理事長 馬袋 秀男氏

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――処遇改善交付金の支給期限が今年度末に迫ってきている。

 

 馬袋 処遇改善交付金については、すでに多くの事業所で職員の給与として支払われている。交付金が終了したからといって職員の給与は下げられない。継続は当然のことながら必要だ。

 本来あるべき姿は、介護報酬に組み込んで、それを原資に職員の定着や育成が行える形が望ましい。その場合、すでに支払われている交付金相当額をベースにして、そこから今回の報酬改正で、さらにどうメリハリをつけるのかという議論をさせてもらいたい。

 報酬に組み込んだ場合に課題となるのが、利用者の支給限度額への圧迫だ。例えば訪問介護だと交付率の4%がそのまま給付単位に圧し掛かかってくる。在宅重視の観点から、利用者のサービス制限につながらないような工夫が必要だろう。

 一方で、今回は東日本大震災の復興を優先させるため、報酬改正がプラス改正になるのかどうか心配な面もある。仮にうまく整理できないというのであれば、消費税などの財源が見込めるまでの期間、いままでの交付金という形で処遇改善を続ける選択肢でもよい。

 

――地域包括ケア体制を構築するという国の考えをどのように評価しているか。

 

 馬袋 地域包括ケアを目指すということは、一言でいうと在宅ケアの限界点を引き上げるということ。 

 介護給付費分科会でも示された特養待機者42万人のうち、真に入所が必要な人は1割という調査結果は、在宅ケアの仕組みが十分でないという現状を如実に表している。

 そうした人たちが在宅でもしっかり暮らし続けられる仕組みを構築するというのが、地域包括ケアだと思っている。そのために介護と医療の連携強化や、24時間定期巡回・随時対応サービスなどを創設するという考えには大いに賛成だ。

 私自身はこうした構想がうまくいくかどうかは、ケアマネジメントが鍵だと思っている。今後の報酬の議論では、そうしたことを重点的に行える人材確保・育成や、事業として継続できる報酬設定を主張していきたい。

 さらに、本気で在宅を推進するために、在宅の生活困難者にも施設と同様に補足給付を導入することも検討すべきだろう。そうすれば、利用者の選択の幅が拡がり、在宅の限界点はさらに高まるはずである。

 

――介護職よる痰の吸引など医行為の整備がされた。

 

 馬袋 痰の吸引などの医行為については、それが介護職の主業務になってはいけないと思っている。

 介護を行う中で、どうしても医行為的なケアが必要な方に対し、「医師・看護師などのケアチームの中で必要に応じて実施する行為」という前提を崩してはいけない。

 さらに介護職員が痰吸引等の医行為を行うにあたっては、賠償保険の仕組みなど、きちんとしたバックアップ体制を構築することが必要だ。

 適正な教育、適正な管理の下に行ったとしても、起きてしまう事故はある。万一事故が起こった時には、個人では負担できない程の大きな責任を負うため、それをリスクヘッジするシステムをどのような形で作っていくのか。その整備をやらずに、医行為を実施するのは、ある意味で無責任であろう。

 きちんとしたバックアップ体制があって、初めて従事者も利用者も安心して医療ケアが行えるのである。

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