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我々の主張
2012年度改定に向けて「精神保健福祉士協会 副会長 柏木一恵氏」2012年3月 6日10時30分

「地域包括に精神保健福祉士の配置を

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精神保健福祉士協会
副会長 柏木 一恵 氏

 

 

 

 ――精神保健福祉士の役割がまだ十分に国民に浸透していないように感じる。

柏木 97年に精神保健福祉士法が成立し、精神保健医療福祉分野のソーシャルワークを担うのが精神保健福祉士(PSW)。現在までに5万人弱の有資格者が誕生、精神科領域の病院や精神障害施設、司法などの職場で、メンタルヘルスや就労支援などの業務を担っている。医療職ではないが、認知症疾患医療センターでは配置が義務付けられている。

 確かにPSWの認知度はまだ低く、活動領域が社会福祉士とオーバーラップするケースもある。ただ多くの職種と連携しながら、精神科領域の

プロのソーシャルワーカーとしての存在意義は高まっていると自負している。

――認知症やうつをはじめ高齢者の精神疾患は増加しており、その対策は大きなテーマだ。

柏木 まさにそのとおり。私が勤務する病院でも精神科領域の高齢者患者の増加は顕著だ。薬剤の進歩により統合失調症の治療は進歩したが、認知症や高齢者うつ、妄想などは医療だけでは解決できない社会的な問題だ。特に認知症の急増には的確な対応が求められる。病院で一般の人から精神状態に関する相談を受けているが、3分の2を認知症が占めているほどだ。

 入院も昔と違い今の精神科病棟は認証の患者さんが多数を占める。入院の時からすでに退院に向けての援助に取り組んでおり、BPSDをはじめとする本人の問題点を整理し、退院後どうすれば日中の活動を支えられるのかなど懸命に支援している。認知症患者を社会的入院させないようにするにはどうあるべきか、今後協会内で検討の場を設け議論していく。

 ただ問題は山積状態。まず退院しても戻る場所の確保が難しい。家族を中心に多職種の連携に支えられて自宅で生活できる人はよいが、周知のとおり特養や老健、GHは待機待ちの状況。特に独居の方の場合どうするのかが大きな悩みだ。若年性の認知症患者も増えており、そういう人は経済的な支援も求められてくる。

もう一つ大きな問題がある。医療の進歩などにより日本人の寿命は伸びたが、それは精神疾患を抱える患者さんも同じ。若いときに発病しても65歳になるとそうした患者さんも介護保険の対象となるが、介護度の認定方法をはじめ、現在の介護保険制度でそうした患者さんの在宅生活を十分に支えられているのか疑問だ。

――そうした現状を打破するには介護分野において精神保健福祉士は何をすべきか。

柏木 協会としては地域包括支援センターに精神保健福祉士の配置を要望している。特に基幹型地域包括支援センターへのPSWの配置は、メンタルヘルス課題の対応や困難事例への後方支援のためには必須といえるだろう。また医療保険になるが、訪問看護ステーションにおけるPSWの配置も要望している。在宅で認知症の人を支えるには、まずそうした制度の充実が必要だろう。

 同時にPSW自身も介護を支える一員として積極的に介護職との連携を深め、医療と介護の連携役を担う。介護職もどんどんPSWを活用してもらいたい。その実現にはやはりケアマネジャーの存在が大きな鍵となるだろう。

 個人的な見解だが病院に勤務するPSWとしてはやはり退院時には認知症に精通したケアマネジャーにケアプランを作成してもらいたいし、ヘルパーも同様だ。そして退院後もPSWが介護職と連携しながら、認知症の方の生活支援を行う。認知症患者の社会的入院を減らすには制度の整備と地域における多職種の連携が不可欠といえよう。

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