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我々の主張
2012年度改定に向けて「全国鍼灸マッサージ協会 理事長 息才博氏」2012年3月12日19時13分

「介護予防に鍼灸マッサージの活用を

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全国鍼灸マッサージ協会
理事長 息才 博 氏

 

 

 ――あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師はケアマネジャーの資格を取得できる程度で、介護保険制度における存在が希薄だ。

息才 通所介護の機能指導訓練員としてあん摩マッサージ師が認められている程度だ。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師は3師をまとめて「あはき師」と呼ばれ、ケアマネジャーを目指すあはき師は決して少なくなく、介護保険スタート時には協会で勉強会を開くなど資格取得のバックアップもした。前回の第14回試験では261人が合格し、1回目からの総数は約7100人を数える。

 確かに介護保険ではほとんど位置づけられていないが、はあき師出身のケアマネジャーは当然介護職との交流が深く、利用者や多職種に鍼灸やマッサージの良さをアピールしており、介護現場で鍼灸、マッサージが全く無縁というわけではない。ただ最近の傾向としてははり師、きゅう師だけの資格を取得し、あん摩マッサージ師の資格を取らない人が増えていることもあり、協会としては、はり師、きゅう師も機能指導訓練員として認めてくれるよう何度も厚労省に要望している。

 無資格者によるマッサージを受けた経験のある人は多数いるだろうが、国家資格であるあはき師による治療を受けた経験のある人はか国民のわずか6%。むしろ欧米での認知度が高いと言われている。

――鍼灸、マッサージは介護予防や重度化を防ぐのにどの程度貢献できるのか

息才 介護予防や重度化の進展防止こそ、まさにあはき師の出番だ。介護サービスには含まれないが、介護プランを作成する時に保険外サービスとしてケアマネジャーに意識してもらいたい。もちろん医師の同意が必要だが、医療保険が適用できるので利用者の負担も小さくてすむ。

 例えば歩行困難になった人が在宅で過ごしていると、廃用症候群を起こすおそれがある。それがあん摩マッサージ師による訪問マッサージの施術を受けると、関節のこわばりや血流改善、マヒなどが改善され、運動機能が維持改善され、廃用症候群の防止となるだろう。鍼灸も要介護状態を引き起こしやすい6疾患が対象であり、来院または在宅で施術を受けることができる。また自宅に限らず特定施設での施術も可能であり、応用できる場所は広い。

 鍼灸、マッサージに払われる療養費は年間わずか250億円。医療保険や介護保険が莫大な金額に達することを考えれば非常に低コストで、介護予防ができ、利用者の自立を促すことができるといえよう。

――行政は高齢者介護にもっと鍼灸・マッサージを取り入れるべきだと。

息才 そのように願っている。治療院は広告制限により鍼灸適応疾患や料金を宣伝できないため、個々の治療院がその存在を広くPRすることが難しい。無資格者による宣伝が横行していることを考えると大きな矛盾だ。往診できる範囲も16km以内と制限されているのが現状だ。やはりあはき師がもっと地域に出向く機会を増やし、その有効性を地道にアピールしていくしかない。時にはサービス担当者会議に呼ばれるくらいの存在になれば、介護職の方々にあき師の価値が認められるだろう。

 はあき師は収入が低く、それに加え保険請求が全く認められないことが少なくない。医療保険では削減の方向性にあり、このままではますます経営は厳しくなる。鍼灸、マッサージの価値を十分に理解してもらい、きちんと制度上で報いてもらいたい。

 

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