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我々の主張
2012年度改定に向けて「日本視能訓練士協会 会長 白井千恵氏」2012年3月29日07時10分

 「眼科医療を通じて高齢者のQOLを高めている

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日本視能訓練士協会
会長 白井 千恵 氏

 

 

――視能訓練士出身のケアマネジャーは188人と非常に少ない。そのためか高齢者介護における存在が希薄に感じられる。

臼井 衆知のとおりケアマネジャー業務は他の仕事を兼務しながら行えるものではない。一方で視能訓練士の数はようやく1万人を越えたにすぎず、需要が圧倒的に高く数が不足している。全ての眼科領域の病医院に視能訓練士が配置されていない状況だ。高齢者介護の重要性は十分認識しているが、まずは医療分野におけるニーズへの対応が急がれている。

 現在の医療保険では施設基準に視能訓練士の要件はない。協会として一時期そのことも考えたが、施設基準があるために学会に参加できないなど弊害もなくはない。国公立大学病院における従事者が少なく、その雇用を文科省や大学病院個々に訴えてきた。

 ――介護の分野では地域包括ケアシステムの構築が大きなテーマ。そのシステムの中でどのような役割を果たすのか。

臼井 視能訓練士の主な業務は視力や屈折、視野、眼底などの検査業務と視能矯正などだ。実は視能訓練士の4割は眼科診療所に勤務しており、地域に密着した医療に大きく貢献している。高齢者に多い白内障手術前後のデータ管理や加齢黄班変性症の検査、さらに視機能低下者のリハビリなども重要な業務だ。

 疾患でなくても、歩行が可能な高齢者は眼科で視力を測定し、眼鏡をつくる。大学病院でも診療所でも高齢者、特に後期高齢者が多い。あえて目標を掲げて地域に出て行くというのではなく、すでに眼科医療を通じて高齢者の生活を支えていると私は考えている。

 ただ協会としては家庭を訪問し、在宅で直接高齢者を支えたいという思いもなくはない。しかしそれを実現するには医師と同行しなければならず、歴史的に視能訓練士そのものが単独で動くのではなく、あくまでも医師と共に行動していくという考えが強い。また在宅では老眼鏡の度数を合わせるとかテレビを見やすいように調整する程度の業務しかできないだろう。

 ――視力の衰えに気づいていない高齢者に通院を促すなどの活動ができるのでは。

臼井 ボランティア的にやることは可能だろう。ただ通院を促すことは、ケアマネジャーやヘルパーのようにより高齢者に身近に接している人の方が向いていると思う。特にケアマネジャーには高齢者の視力に対して今以上に関心を高めてもらいたい。また眼病予防などの啓発を行う行為は医師の領域ではないだろうか。

 視能訓練士は視機能の検査をし、検査データを分析することは可能だが、もちろん診断を下すことはできない。仮に視能訓練士による在宅での視力検査が可能になっても、小さい文字が読めない人の場合、老眼なのか、それとも何か別の要因で見えないのかを調べるには、医療機関にある検査装置で測定しなければ難しい。歯科衛生士による口腔の清潔維持、セラピストによるリハビリなどは個人の職能だけでケアが可能な部分が多いが、検査には機器が必要であり、視能訓練士の場合業務の性格が違う。

 先ごろの東日本大震災時に宮城県では視力検査ができるビジョンバスに眼科医、視能訓練士、看護師、眼鏡店がチームで乗り込み、眼鏡を無くした人などに対して視能訓練士が検査をし、眼鏡店が簡易な眼鏡を提供して回った。このようにチームを組んで在宅の人を支えることが出来れば、高齢者のQOLを高めることが可能になるだろう。 

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