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我々の主張
2012年度改定に向けて「全国老人保健施設協会 会長 山田和彦氏」2011年12月20日21時40分

 「リハと医療充実の体制づくりを目指す」 

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全国老人保健施設協会
会長 山田 和彦 氏

 

 

 

――来年度からの介護保険改正をどうとらえているか

 山田 はっきりいえるのは団塊の世代が“後期高齢”になる2025年に向けて大きく舵を切ったということだ。24時間巡回も小規模多機能と訪問看護の複合型にせよ地域包括ケアシステムの構築に欠かせないサービス。地域包括ケアシステムは都市型といわれるが、それは24時間巡回などのサービスの採算面を考慮した意見。24時間365日高齢者の安全と安心を確保することはどんな地方でも求められることだ。

 老健は全国にくまなく存在する。これからは今まで以上に施設の外、つまり在宅ケアを充実させることが求められるだろう。夜間職員の配置を充実させ、老健が24時間巡回を担うことも考えられる。施設内のサービスの充実を図りながら、在宅サービスをはじめ老健が地域全体で何ができるのか。次回改正までいろいろとチャレンジする必要がある。

――前回の改正では短期集中リハビリ加算が大幅に引き上げられ、認知症に対してもさまざまな加算が新設された。

 山田 そうした加算が経営面で寄与しているのは事実。しかし問題点もある。短期集中リハ後在宅復帰しても、以後の訪問リハの指示は老健の医師は制度上1回しか出せず、後は主治医の判断となる。老健からの訪問リハが少ないのはそうした制度がネックになっていることもある。通所リハに通っている人など老健の医師が関与している人には、老健の医師が訪問リハの指示ができるよう要望しており、同時に老健と主治医との連携が極めて重要になる。

 また今回の改定では維持期リハを充実させるために2段階の基本報酬設定を要望している。

 今の基準ではリハ職員は入所者100人に対して1人。同時に運営基準で週に2回の機能訓練が求められている。一方リハ職員が仮に週に2回個別リハを提供すると100人に対して2.3人が必要とのデータがる。そして2.3人をクリアしている老健は全施設の8割を占めるているのが現状だ。

 それで100対3というリハ職員の配置という新たな基本報酬の設定を要望している。その場合週に1回は利用者の生活機能をチェックし、リハ計画を立てる。あと1回は個別リハでも集団リハでも良いのではないか。同時にその施設の医師は維持期リハの研修を義務付ける。そういう内容だ。

――さらに給付費分科会では老健における医療のあり方が重要なテーマ。

 山田 医療に関しては大きく2点がテーマとなる。

 第1点は肺炎を含めた呼吸器、消化器、腎盂腎炎などの尿路感染症、帯状疱疹など1週間程度で治る感染症は、現在報酬上の評価がないため病院に移して治療しているのが現状。この程度の疾患は出来高で老健で治療できるようにしてもよいのではないか。転院先の病院の多くもこの程度の疾患については老健での治療を望んでいる。利用者にとっても転院の手間が省け、認知症の入所者もリロケーションダメージが防げる。

 第2点は薬剤の問題。認知症の薬の種類が増えたこともあり、併用も増えるだろう。認知症の治療薬だけで1カ月2~3万円になると、とても今の報酬の中での包括では負担できない。また抗ガン剤は外だしだが、前立腺ガン治療剤の「リュープリン」などは医薬品の分類上ホルモン剤に入るため包括に分類されている。月に1回の注射ですむのに、老健内で安心して投与できないのが現状。さらに難病のパーキンソン病治療薬などは医療保険では公費負担。それが介護保険では包括という矛盾がある。医療は急速に進歩しており、一方で老健の入所者は重度化の一途。現代にマッチした十分なリハ、医療ができるよう強く主張していく。

 

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