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座談会
福祉用具座談会 後編 その12012年1月12日19時00分

 福祉用具座談会の後半では個別援助計画書導入によるリスクマネジメントのあり方、必要とされる研修制度などを中心に話が展開された。そのなかでは計画書作成による専門相談員の質向上により多職種との連携が深まり、介護職員全体の質向上にも寄与するのではないかという期待も述べられた。最後に個別援助計画書導入は間違いなく業界全体の発展に寄与するという点で3者の意見は一致した。

 

計画書作成の主体はあくまでの専門相談員が担うべき

 

――義務化がはじまると具体的にどういう内容の計画書が必要になりますか。国でもある程度意見がまとまれば業界に対して打診があると予想されます。作成者は専門相談員のみでよいのか、他の専門職とどう連携するかなど、具体的な制度のへ運用に関して意見をいただけますか。

岩元 福祉用具のあり方検討会は「ケアプランは総合的な計画書であり、プランに基づき福祉用具の利用目標を明示し具体的な機種と選定理由を明記し、使用時の注意喚起を記載する」と基本スタンスを記しており、計画書の内容もこれに沿うと考えられます。

私は計画書の作成者は専門相談員であるべきだと思います。求められるレベルの計画書を最初から作成するのは難しい。しかし、計画書に関して最初から高いレベルを目指し、PTやOTが関与するという考え方には賛成できません。競争原理を働かせ、現場の努力でレベルアップする時間はどうしても必要ですが、どの事業者も実施するになれば自然と業界全体の底上げになると考えます。

山下 ふくせんではOT、PTそれぞれの協会から理事を出してもらっていますが、専門職と専門相談員との連携にも前向きなので、必ず質の向上につながります。しかしあくまで作成の主体は専門相談員。その中で専門性をもって他職種に指導いただくケースは出てくると思います。

記虎 OT、PTが福祉用具をどこまで理解できるかが問題でしょうね。医学や運動学的なことは熟知していますが、利用者の生活上の要望を理解し環境を整えるのは専門相談員の仕事です。ただ関節の可動域が制限されているため、入浴時に体幹機能への障害リスクがある場合などは、留意事項として指導していただきたいと思います。

山下 これからのテーマは認知症患者がどう福祉用具を使うかも大きなテーマとなるでしょう。専門相談員が幅広い知識をもって備えるべきです。

――福祉用具レンタル後10日以内の初期フォローアップ、6カ月ごとのチェックは義務化されるとお考えですか。

記虎 当然義務化すべきです。

岩元 導入初期のモニタリング、6カ月点検とモニタリング、サービス担当者会議への参加は必須です。モニタリングは相当数の事業所が導入していますが、福祉用具の点検項目に偏りがちなので、ふくせん書式をすすめます。利用者の気持ちに関する項目があり、当社としても有意義に活用しています。

 

徹底したリスクマネジメントが求められる

 

――計画書導入の背景の一つに安全性の確保があります。計画書が不適切だと事故が起こった場合、計画書が原因だという指摘を受ける可能性も考えられます。

岩元 安全性の確保が計画書の主目的ではありませんが、事業者としてリスクを認識したうえで説明したかどうかは問われます。移動支援用具や新しい移乗動作をともなう福祉用具には当然リスクがあり、定期的なモニタリングを行いその結果使用が難しそうなので中止したなど、説明の記録は残さなければなりません。

山下 メーカーとも協議し責任分担を確認していく必要があると思います。

岩元 福祉用具にJISマークが導入され、ハード面での安全性が制度上示されているので、事故が起こった場合に流通業者の責任分担が大きくなると思います。確かに製品起因の事故は少なくなり、現場での使い方に問題があるのが現状です。メーカーとしての責任も厳しく問われますが、流通業は流通業でトラブル発生時に備える取り組みが求められるでしょうね。

記虎 リスクマネジメントは最優先の課題であり、滑り止め、手すり、転倒防止の安全性評価を計画書とモニタリングに必ず入れる。例えば電動カートを使用すると事故の可能性が高まる場合には別の提案が求められます。専門相談員が利用者の使用状況を見たり聞いたりして、適合と安全性を評価し目標達成度に沿って対応を変えていかなければなりません。

山下 そのような時にこそOT、PTと連携するケースが考えられます。特に認知症患者への使用は安全性がクローズアップされるので、専門知識をある程度もって対応しなければなりません。

――福祉用具の情報源はメーカーが持っています。メーカーからの情報発信の方法に関して流通業の立場から要望はありませんか。

山下 取扱説明書の仕様は流通側が分かりやすいように制作してもらいたいですね。

岩元 重大事故情報は公開されていますが、加えてマイナーなトラブル情報も出してもらえれば、早めに点検を行うなどの予防策が取れますね。当社では福祉用具をすべて個品管理しているので、そうした情報が入れば、すぐに対策が講じられます。そしてそれはレンタル業者としての責任です。「ひょっとしたら」といったことでも早めの情報提供をいただければ助かります。

 

<その2へつづく >

 

<シルバー産業新聞 2011年11月10日号掲載>

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