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遠望
遠望180 企画の技法 同窓会は得する話2015年8月20日15時21分

 「家族でオマーンに行った。こんなお国柄だった」(経済産業省アルバイト、10数年前)、「日本の文学とノンフィクション、それぞれベスト100作(コピー配布)」(経済省同僚)、「ナンバ走りと体幹の機能について」(同)

 ときには、「都心の○○地区はオフィス街なので週末は駐車できる。少し歩けば買物の中心地」(経済省同僚、10数年前)、「あの地区はその後商業開発されたので駐められない、反対側の幹線道の地下に大きい駐車場がある、そこは安いし満車にならない」(同人物、数年後)、「予定が立てにくく、予約してそのとおりの便に乗れないときに新幹線で座れる方法」(筆者)という少し怪しいものも。

 折々に同窓会がある。職場の○○課のメンバー、一緒にプロジェクトをした仲間、大学のゼミの会など。

 実は筆者は同窓会に足がむかない。理由の第1は、いくらよい上司でも、若い側はどうしても気を遣う。第2は、同窓会は当時の自分や仲間に会いに行く。楽しかったことは思い出したいが、毎回同じ話では大事な思い出を消費する。第3は、コスト(時間とお金)に見あう効果が疑問では。第4は、「うまく行っている」人が行く場では。公私ともに「うまく」いくかは紙一重。運もツキもぎりぎりまで使ってやっているので、あまり幸せな気分で振り返る気になれない。第5は、理屈や実務を持ち込むのは御法度なので、話題はやはり「当時」のことに。どうしても過去向きになる。

 よって筆者はよほどのとき以外は行かない。

 こういう理屈をいうのは現役気分がつよいせいかも知れない。もう少し円熟すれば第1も第ナニも気にならなくなって、行く気になるかも知れない。

 ただ、いまでも時には、行かないでは済まない時もある。自分が責任者(例えば課長)だった時の若い同僚が、なにか節目をむかえたとき、受け持っている学生との会などだ。

 そういうときに筆者は「得する話」はどうかと持ちかける。全員1つずつ考えてきて披露する。時には賞品をだす。

 そうすると昔話をしているヒマがなくなる。聞いた話で人生が変わることもある(かも)。もしそうなると、かけたコストを埋めてお釣りがくる。

「建物の入口から2階のゼミ室へ行くのに、入口正面の階段を上るのと廊下を回って横の階段を上るのとどちらが近いか。測ってみると正面の階段から上がった方が近いと分かった」(東大学生、昨年)

 みんな気になっていたことなので、絶賛された。60センチのビニール傘で測ったそうだ。どうでもよさそうなことに一生懸命になることで、人がらもわかる。

 弓道部出身のこの学生は海運会社に就職した。欧州へは北極海経由が近いです、と、今もやっているかも知れない。

 先日、卒業論文の発表が終わったので、学生たちと夕食に出かけた。つい伝え忘れて、現地に着いてから「今日も、得する話しを…」と言ってみた。

 「やっぱり」「そう来るのでは、と思ってました」と何人かが言ってくれた。

 米国に留学した30年前、軍の将校になるためのコースがあった。

 聴講してみると(小生ほか1、2人を除き全員軍服だった)、講義の最初に毎回1人ずつスピーチする。短くて笑いをとる話だ。教員(軍の将校)がピリッと論評する。リーダにはTPOに応じた話が求められると理解した。

 我々の学生くん達は、急に持ちかけたにもかかわらずソツなく話しをしてくれた。社会にでると、前ぶれなく挨拶を振られることもある。

 今回、改めてまわりに聞くと「弓道部くんの距離の話は、階段の角度の違いがあるので、ヨコ階段回りの方が近く感じる、と異論もでていましたね」「Sくんがした話『彼女にもう少し痩せてほしいかなと思ったときに、丸く伝える方法』、あれはうまかった」と女子。みな結構覚えている。

 誰がいてどう言った、どういう人だったと共有した時間に戻るのが同窓会。ふつうにやると、戻るのは昔の「ある時」だけだが、得する話しをすると、戻り先を毎回新しく作れるという利点もある。

日本福祉大学客員教授

後藤芳一

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