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2015年制度改定【本紙分析】改定1年 厳しい給付状況2016年7月12日07時00分

定期巡回、看多機5割アップ

 16年4月審査分の給付データから、▲2.27%のマイナス改定だった15年4月介護報酬改定、その1年後の給付状況をみる。加算取得が進み、1人当たりの費用額の落ちは最小限に食い止めたものの、介護職員処遇改善加算の上乗せ分(全体の1.65%)がカバーできず事業的に厳しくなった。一方で、12 年改定で新設された24時間の定期巡回サービスや看護小規模多機能型居宅介護(看多機、複合型サービスから改称)が、1年で5割伸張した。総合事業の費用額は16億円になった。

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 16年4月審査分(主に16年3月サービス分)の費用額は、介護給付7,705億円(前年同月比194.9億円増、2.6%増)、予防給付416億円(▲46.3億円、▲10.0%)となり、合わせて保険給付は8,122億円(148.6億円増、1.9%増)となった。また、15年4月から始まった介護予防・日常生活支援総合事業の費用額は16億円(総額に占める割合0.2%)となり、保険給付と合わせた総額は8,139億円だった。

 一方、受給者数は、介護給付403万人(前年同月比11.1万人増、2.8%増)、予防給付113万人(0.9万人増、0.8%増)、総合事業6.1万人となり、総数は523.6万人だった。

 ▲2.27%のマイナス改定となった15年4月改定を受けて、1人当たりの費用額(費用額を受給者数で除した額)は下がった。介護給付は19万871円(▲430円、▲0.2%)、予防給付は3万6,619円(▲4,395円、▲10.7%)と、加算取得が進み下げ幅を縮めたが、ともに減額になった。費用額の伸びは利用者数の増大によって支えられていること、予防給付の落ちが大きかったことが分かる。

 事業への影響は、1人当たり費用額の減額に加えて、費用額の中には介護職員処遇改善加算の上乗せ分(全体の1.65%)を含むため、1人費用額の落ち込み以上に厳しい。

 全市町村は18年4月までに予防給付の通所介護と訪問介護を総合事業へ移行させることから、総合事業が占める割合は、確実に拡大する。ただ、急激な変化を避けるために、多くの保険者は新規の認定者から順次、総合事業へ移行、実際に予防の通所介護と訪問介護が総合事業へ全面移行するのに5年以上と見込まれる。他サービスの移行の有無など今後の制度改正の動向もあり、介護保険事業は全国一律の保険サービスと保険者ごとの総合事業との、2本立てのサービス体系になっていく流れだ。

伸びるサービス縮むサービス

 改定後1年の費用額の伸びの大きいサービス(予防含む)、ベスト10をみると、15年改定の方向性がうかがえる。(グラフ)

 1位看多機57.1%増、2位定期巡回・随時対応型訪問介護看護49.8%増、3位地域密着型特養12.2%増、4位居宅療養管理指導11.0%増、5位小規模多機能型居宅介護10.5%増、6位訪問看護10.0%増、7位訪問リハビリテーション7・2%増、8位福祉用具貸与5・6%、9位ケアマネジメント5.4%増(居宅介護支援5.5%増、介護予防支援4.8%増)、10位夜間対応型訪問介護3.9%増。10サービスのうち、地域密着型サービスが6、医療系サービスが2、それにレンタルとケアマネジメントとなった。

 15年改定で厚労省は、保険者機能の強化や医介連携の促進をめざして、地域密着型サービスの整備を推進した。特に、定期巡回、小規模多機能型、看多機の3サービスには、支給限度額枠外で「総合マネジメント体制強化加算」(1000単位)を設けて、報酬アップを行った。さらに小規模多機能型には訪問機能を強化する「訪問体制強化加算」(1000単位)を、看多機には看護の充実を図る「訪問看護体制強化加算」(2500単位)を新設した。

 費用額がマイナスになったのは、ショートステイ(▲3.3%)、訪問入浴介護(▲1.9%)、介護療養病床(▲9.2%)の3サービス。

 15年4月から制度外のお泊まりデイが規制されたが、ショートステイの泊まり機能は小規模多機能が担う一方、短期利用の仕組みが認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に加えて、(地域密着型)特定施設入居者生活介護と看多機にも設定された。地方の特養新設や、サービス付き高齢者向け住宅の拡張も泊まりニーズの分散化を招き、ショートステイの利用が減った。訪問入浴介護は、1人費用額3.6%増にも関わらず、デイの入浴による減衰状況を食い止められていない。介護療養病床は、さらに医療型への転換が進んだ。

 在宅介護を支える通所サービスと訪問介護は、介護給付が伸びて予防給付が縮んだ。通所介護は介護で費用1,292億円(5.8%増)に対して予防は147億円(▲18.6%)、通所リハは介護で357億円(3.5%増)に対して予防は48億円(▲17.8%)、訪問介護は介護で707億円(3.6%増)に対して予防は85億円(▲8.2%)になった。15年改定で、予防のデイは長時間の利用が想定されていないとして、基本報酬が▲20~25%の大幅ダウンになった。

総合事業

 介護予防・日常生活支援総合事業は1年経って、移行した市町村数は283(全市町村の17.9%)、費用額16.5億円、受給者数4.9万人で、前月より費用額で25.8%増に、受給者数で25.2%増になった。今後、この勢いが続く。

 うち、訪問型サービス5.3億円、2.8万人、通所型サービス10.8億円、4.0万、その他の生活支援0億円、介護予防ケアマネジメント0.3億円、0.6万人。みなし事業指定によるものが81.6%を占める。

 総合事業の1人当たり費用額でみると総数は2万6,900円で、うち事業対象者は2万2,000円、要支援1は2万700円、要支援2は3万3,700円。訪問型は1万8,900円、通所型は2万7,200円、その他の生活支援は5,700円、介護予防ケアマネジメントは4,500円。

 請求事業所数は総数で7,998事業所。前月より2,056事業所増えた。1事業所費用額は164万5,000円となっている。

 18年改正論議において、要介護2までの介護サービスを市町村の予算の範囲内で運営する総合事業への移管を提起する財務省に対して、厚労省は、移管が決まっている予防の2サービスの動向などを見極めながら、個々のサービスごとに判断すべきと反論している。

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