ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

2015年制度改定【15年改定検証】定期巡回・随時対応型訪問介護看護(2)2016年8月30日07時05分

「寝たきりにさせないケア」全9事業で利用者300人超

 奈良県大和郡山市にある社会福祉法人協同福祉会(村城正理事長)は、県内4市にある9事業所で定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供している。

 同法人では、2005年から「あすなら10の基本ケア」を掲げ、利用者が住み慣れた地域で最期まで暮らせるよう、寝たきりにさせない介護に取り組み、生活能力の回復・維持を図るためのケアに努めている。

 10の基本ケアの2、3番目に掲げるのが「床に足をつけて座る」「トイレに座る」こと。同法人の特養やショートステイなどでは、利用者が自分で座位姿勢を保ち、自分でトイレやポータブルトイレを使えるよう、生活リハビリに力を入れたケアを提供している。

0807riji.jpg 「施設ケアを経て、ある程度自立した状態で在宅へ戻って頂き、定期巡回型サービスのスタッフがそれを維持できるよう配慮しつつ、生活全般を支援するケースが増えてきている」と村城理事長。「在宅では、食事・入浴・排泄の課題解決がポイントとなる。例えば食事は配食サービスなど、入浴はデイサービスなどの利用である程度対応できる。しかし排泄ケアは、専門的ケアによる適切な対応がなければ、在宅介護は継続できない。せっかく在宅へ戻れても、おむつをしたままで寝たきりの状態では、24時間365日を支えることは難しい」と話す。

 同法人の定期巡回型サービスの利用者は、リハビリを加えた介護によって自力で排泄できる人が多いことから、深夜~早朝の時間帯(22時~翌朝6時)はおむつ交換やトイレ介助のための巡回訪問が少なく、安否確認がほとんどとなっており、定期巡回よりも随時対応がメインとなっている。介護スタッフは介護福祉士がメインで、所属する理学療法士や言語聴覚士の指導のもと、利用者の生活動作の状態にも気を配りながらサポートを行う。

 「在宅生活のベースは定期巡回型サービスが支え、その上で寝たきりにさせない基本ケアの考え方を共有する、当法人のデイサービスやショートステイなどを必要に応じ併用してもらうことで、ご本人がその人らしく最期まで自宅で暮らし続けられると考えている」と村城理事長は話す。

 定期巡回型サービス単体ではなく、小規模多機能型居宅介護等の「通い」「泊まり」のサービスと一体となって利用者の生活をトータルで支援することで、家族の介護負担を軽減し、本人の日常生活能力を維持しながら在宅介護を継続できるような支援が必要だという。またその考え方から、定期巡回の看護サービスは一体型の形をとっている。

0807asu.jpg    12年に初の定期巡回型サービス事業所として開設した「あすなら苑」(大和郡山市)では、109人(6月末現在)の利用登録があり、全事業所で合わせて300人を超える利用者がある。利用者の平均要介護度(16年4月末時点)は2.2で、要介護1と2で全体の7割を占めている。通い・泊まりも併せて、利用者の生活を総合的に支援できる体制を整えた上で、「定期巡回型サービス」を在宅介護のベースと捉えることで、利用者確保は進められるというのが、村城理事長の持論だ。

0807asu2.jpg

 「定期巡回型サービスは、主に医療機関から在宅へと戻ってくる中重度者の生活を支えることがイメージされていたようだが、介護度が低い方も当法人の定期巡回型サービスを利用いただくことで、ご本人の『できる』範囲を維持し、介護度の重度化を遅らせることが可能だ」と村城理事長。「財務省では、軽度の方の生活援助について、介護保険制度から除外することを検討しているが、在宅介護の継続のためには憂慮すべき状況だ」と強調した。

「2015年制度改定」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール