ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

ケアマネジャー【ケアマネアンケート】政府のコロナ対応「評価できない」54%2020年7月16日07時00分

「具体的な対応なく現場任せ」

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が解除されたものの、病院・施設・事業所・在宅では引き続き感染リスクの不安を抱える状況が続いている。こうした状況の中、本紙は5月~6月にかけて全国のケアマネジャーを対象に4月末時点での新型コロナウイルス感染症への政府の対応についてアンケートを実施。302件の回答が得られた。調査の結果、政府の対応を「評価できる」と回答したのは40%で、「評価できない」と回答したのは54%と、「評価できない」が上回る結果になった。「評価できる」とした意見は、その多くが、これまでにない不測の事態に、方針を示したこと自体を好意的にとらえる意見だった。一方で「評価できない」とした意見では、初期対応で具体的な内容が示されず、現場任せになった点を批判するものが目立った。

 新型コロナウイルス感染症の発生により、国は1月29日の新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aの通知を皮切りに、報酬算定時の臨時的な取扱等、介護報酬の特例措置や感染症予防に必要な掛かり増し費用の支援策などを打ち出しており、4月24日には第10報を発出。その中で、通所サービスの代替として訪問によるサービス提供や電話による健康状態の確認で報酬を算定可能とすることなどが認められた。

 4月末時点でこうした国の新型コロナウイルスへの対応について現場のケアマネジャーはどう捉ええていたのか――。本紙が5月~6月にかけてアンケートを実施したところ302人のケアマネジャーから回答が寄せられた。

200705cmr.jpg

 介護現場への国や行政の対応について評価できるかどうかを尋ねたところ、「評価できる」40%、「評価できない」54%、「その他」6%となり、評価が分かれる結果となった。

 その理由を自由記述で尋ねたところ「評価できない」と回答したケアマネジャーから多くあげられたのが、4月末時点での通知内容に具体性がなく現場が混乱したとする意見。「感染者が出た場合、個人の問題ではなく、関わる人々、サービス事業所等地域での問題となる。地域でどう支え乗りきるかの具体策が考えられていない。国からの通知を情報として流しているだけだ」(茨城県、男性)や「市内でクラスターが発生した場合の対応を想定したシミュレーションや情報量が少なすぎる。感染予防に関する情報も大事だが、具体的に現場がどう動くべきかの指針がもっと必要」(鹿児島県、女性)といった意見など、国からの通知を受けた自治体から具体的な説明がなく困ったとする声が多く挙げられた。

 また、方針を示すのが遅いとする意見も目立った。「感染症対策のマスクや消毒液など対応が遅く、入った頃には落ちついていた。感染疑いの人へのPCR検査などの対応がなく拡大不安が一番大変だった」(東京都、女性)、「国の初動対応の遅さもあり、介護現場に対する対応が遅い。マスクや消毒液等、必要物品を国や行政で確保して、医療現場はもちろんのこと、介護現場にも安定的に入るようにしてほしかった」(茨城県、女性)などの意見があった。

 現場でも混乱しつつ、利用者・職員への説明ができない状況を何とかしたいと、具体策が示されるのを待っていた事業所が行政の対応に疑問を持ったようだった。

 一方で、「評価できる」と答えたケアマネジャーで多かったのが、未曽有の状況下で日本全体が混乱している中でも柔軟な対応が可能であるとの方針を示したことを評価する意見。

 「感染対策が策定されていないことが表面化したことは、前例のないことに対して対策を講じるきっかけ作りになる。感染対策情報は常に出ていたので、何もない中で、対策はよくできていた」(大阪府、女性)や「居宅支援の臨時的な対応として柔軟な取り扱いは評価できる。そうしなければ破綻する事業所が多発したと思う」(北海道、女性)などといった意見が寄せられた。

 事業所の考え方に沿った柔軟な対応ができたことで、利用者ごとに適切な対応ができたようだ。

 その後、4月27日に成立した1次補正予算では、新型コロナ感染者や濃厚接触者が発生し休業要請を受けた事業所や感染者が発生した事業所等に対して、掛かり増し費用などを助成する「サービス継続支援事業」等が組み込まれた。

 また、アンケート実施後の、6月12日に成立した2次補正予算では介護現場の職員を対象に「慰労金」という名目で新たな給付が決定した(1面に関連記事)。感染者の発生や濃厚接触者に対応した事業所に勤務する職員は最大20万円が支給される。

 アンケートでも職員への直接的な経済支援を求める声も挙がっており、現場の要求がくみ取られた形となった。

 今回のアンケートでは、緊急事態への対応を踏まえた報酬改定が必要かについても尋ねた。その結果76%が「必要」と回答。自由記述では、「最後は訪問介護で受け止めるように考えているようだが、平時から事業を継続運営できるような報酬を設定しておくべき」(石川県、男性)、「ケアマネはサービスの利用がないと報酬がないが、結果的にサービスを利用しなかったというだけで、実際はモニタリングをして、サービスの利用調整も行っており、そこは評価してほしい」(茨城県、女性)など、平時からの対策への評価を求める声や、サービス利用の有無以外にも目を向けてほしいといった声があげられた。

 介護給付費分科会でも緊急事態への対応が次期報酬改定の論点に挙げられており、感染予防体制の確立のため基本報酬で評価すべきとの意見も挙がるなど、12月の基本指針のとりまとめへ向け注目が集まる。

「ケアマネジャー」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール