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介護保険・行政20年診療報酬 高齢者の入退院支援/オンライン化2020年3月12日07時10分

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は2月7日、2020年度の診療報酬改定案を加藤勝信厚生労働大臣に答申、個別改定項目の点数や要件等が示された。昨年12月に発表した通り、本体報酬は0.55%の引上げ、薬価等は1.01%の引下げ。医療・介護連携、在宅・外来等を中心にポイントを紹介する。

【入退院支援】高齢者のアセスメント強化

 「入退院支援加算」は、退院困難な患者へ退院後の生活を見通した上で診療計画を実施し、かつ退院・転院後の受け皿となる介護事業所や他医療機関との連携を評価するもの。がんや認知症、排泄介助といった心身のケアが必要な人や、また要介護認定が未申請、生活困窮、虐待といった問題を抱えている人なども対象となる。

 今改定では、同加算の対象患者が高齢者の場合、身体的・社会的・精神的背景等を踏まえた支援を実施することで「総合機能評価加算」(50点)の上乗せ算定が可能に。65歳以上または特定疾病を有する40~64歳を対象に、病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等の総合的な機能評価を行う。

 なお、介護報酬では、居宅介護支援のケアマネジャーが入院後7日以内に医療機関へ利用者情報を提供する「入院時情報連携加算」、また退院時に退院カンファレンス等へ参加し、在宅でのケア方針を共有する「退院・退所加算」が設けられており、切れ目のない入退院支援が医療・介護双方ではかられつつある。

 また、退院時の栄養情報連携も強化。入院時に栄養食事指導を行った患者について、栄養管理に関する情報と退院後の指導内容を他の医療機関や介護施設等の医師または管理栄養士へ文書で提供した場合「栄養情報提供加算」(50点)が算定できる。

【外来・在宅医療】「リハ偏重ST」適正化

 訪問看護ステーション(ST)は、在宅での医療ニーズへの対応を充実させる観点から、理学療法士等による週4日目以降の訪問について報酬を引下げ。基本療養費(Ⅰ)の場合、看護職員6550円に対し、理学療法士等5550円と15%ダウンとなる。あわせて、訪問看護計画書・報告書には訪問(予定)職種の記載を求める。

 さらに、機能強化型訪問看護は「6割以上が看護職員」との人員基準を追加。3月末時点で機能強化型を届け出ているSTに限り1年間の経過措置を設ける。同省の調べによると、看護職員の割合が6割未満のSTは1割程度。

 一方で、働き方改革の観点から、機能強化型STの看護師の配置要件を緩和する。現行、報酬が最も高い(Ⅰ)は常勤看護職員が7必要だが、うち1は非常勤職員の常勤換算でも可能に。常勤看護職員が5必要な(Ⅱ)も同様の扱いとする。

【ICT/オンライン化】オンライン診療対面期間短縮など緩和

 18年改定で創設されたオンライン診療は、対面診療等の要件を緩和。同一医師による事前の対面診療の期間を現行の6カ月から3カ月へ見直す。

 さらに、へき地や医療資源が少ない地域の医療機関において、医師が急病等で代診を立てられないなどの場合に、二次医療圏内の他の医療機関の医師が初診からオンライン診療を行った場合も算定が認められる。

 また、てんかん(外傷性を含む)や指定難病の疑いがある患者については、希少性・専門性の観点から近隣の医療機関で診断が困難な場合、遠隔地の医師が情報通信機器を用いた診療を行う「遠隔連携診療料」(500点)を新たに設ける。

服薬・栄養にも適用拡大

 昨年12月の医薬品医療機器等法(薬機法)改正により、オンライン服薬指導が例外的に認められることとなった。今改定ではこれを保険適用とする(薬剤服用歴管理指導料43点/在宅患者訪問薬剤管理指導料57点、いずれも月1回まで)。オンライン診療により処方箋が交付された患者が対象で、同一の薬剤師がオンライン服薬指導を行うものとする。

 外来患者へ管理栄養士が具体的な献立等を用いて食事指導を行う「外来栄養食事指導」は、2回目以降に限り管理栄養士が電話または情報通信機器等で必要な指導を行った場合、月1回に限り算定を認める(対面200点/情報通信機器180点)。

「排尿自立、退院後も切れ目なく」

 18年の診療報酬改定で新設された「排尿自立指導料」(1回200点)は、入院患者の尿道留置カテーテル抜去と、その後の排尿自立に向けた支援を看護師やリハビリ等の専門チームで実施するもの。20年改定では算定期間を6週から12週へ拡大、さらに膀胱留置カテーテルの適切な管理を推進する観点から、在宅復帰後の外来でも報酬が新設されるなど、大幅な充実がはかられる。

 現行、入院患者を対象とする「排尿自立指導」は「外来排尿指導料」と名称を変え、対象も外来患者に移行。入院患者については新たに入院基本料等加算の「排尿自立支援加算」として評価する。要件は一部を除き現行の「排尿自立指導料」と同様で、点数は200/週。患者1人につき週1回、12週を限度として算定できる。

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 排尿自立指導料を算定する南高井病院(医療法人天真会、愛媛県松山市)の西尾俊治院長は「外来への対象拡大、算定期間倍増はインパクトのある改定。約700施設に留まる算定を広げるという、国の意思が表れている」と高く評価。「膀胱留置カテーテルの抜去は、多職種連携が進むほど効果が高い。抜去した患者の約8割は問題なく生活ができている。外来が認められたのも、退院後の生活の質を考えれば当然の流れだ」と強調する。

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