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シルバー産業新聞

介護保険・行政通所の代替 訪問・電話でも算定可2020年5月11日17時00分

新型コロナ対策下での基準・報酬 厚労省通知 

 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の患者等への対応で一時的に人員基準等を満たさない場合や、休業時の代替サービスに関する介護報酬の取扱いについて通知を発出している。通所は訪問や電話等へ振替え、またモニタリングや、加算等の要件となる会議は電話やメール、ウェブの活用など、対面業務を避けるために柔軟な算定を認める。

 介護サービスの中でも感染リスクが高いとされる通所系。休業要請または自主的に休業した場合、利用者の同意のもと、デイの職員が居宅訪問し従来のサービスをできる限り提供すれば、引き続き算定できる。

 報酬は従来のデイの時間区分に基づく提供時間で算定。通所介護2時間未満、通所リハビリ1時間未満など短時間の場合は、最短の時間区分(通所介護2~3時間未満、通所リハ1~2時間未満)で算定する。1日に複数回訪問した場合も、それぞれ提供時間に応じた報酬区分を算定できるが、ケアプランに位置づけた提供時間の報酬を1日の上限とする。

 また、利用者等の意向を確認した上で健康状態や食事内容、入浴や外出の有無などを電話で確認した場合、あらかじめケアプランに位置づけた利用日に、1日2回まで算定可。自主的な休業の場合は1日1回までとする。

 機能訓練特化型デイを全国展開するポラリス(兵庫県宝塚市、森剛士社長)は、事象所の一つで利用者135人中40人の自主的な利用控えが発生。うち6人を居宅訪問し、水分補給のサポートや生活動作訓練を1回1時間、週1~2回提供している。

 それ以外の利用者へは電話で水分補給や身体状況を聞き取り、自宅でできる運動などをアドバイスする。

2週間で心身機能低下

 また、名古屋市緑区の居宅介護支援「でんじやま」は、デイ利用者21人中12人の代替サービスを訪問看護4人、訪問介護3人、デイ職員の訪問2人などに調整した。緑区と隣の南区は3月7~20日の2週間、通所介護126事業所が休業要請の対象に。総利用定員は2600人、その8割がサービスを一時中止した。

 「でんじやま」主任ケアマネジャーの水野勝仁氏は、休業後に利用者の心身機能を調査。21人中14人に「日付や曜日がわからない」「自室に閉じこもり認知症が進行。食が細くなり体重が4kg減少した」といった影響がみられた。「デイの休業は閉じこもりリスクを伴う決断。相応の対策をとらなければ利用者の生活機能を奪ってしまう」と同氏は危惧する。

訪介は資格不問

 デイの休業や利用控えで負担増となっているのが訪問サービス。厚労省の通知では、通所介護等が利用できない等による訪問介護の増加や、職員の発熱等の理由で人員基準が満たせない場合も減算などは行わない。

 また、感染が疑われる利用者への訪問は、在宅生活を支援するため必要最低限のサービスを行った場合、生活援助の提供時間が20分未満でも訪問介護計画に位置づけた「生活援助中心型20~45分未満」で算定できる。

医療系も電話 「可」

 訪問看護は感染の不安等を理由に、本人・家族の利用控えがあった場合、看護職員が電話等で病状確認や療養指導等を行えば「20分未満」を週1回に限り算定。当該月に看護職員の訪問看護1回以上の実績等を必要とする。

 なお、診療報酬上でも訪問診療(在医総管・施設総管)、訪問看護、薬剤師の訪問薬剤管理指導について特例的に電話対応での算定を認められた。在医総管は3月に月2回以上の訪問診療を行っていることを要件に、月2回まで算定可。4月のみ「電話2回」で算定でき、5月以降はうち1回を訪問とする。

 

<厚労省「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」要旨>

(4月24日発出第10報まで)

通所系

○休業要請を受けて、または自主的に休業した場合、利用者への説明と同意を前提に、代替として居宅を訪問し従来のサービスを事業所の職員ができる限り提供した場合、サービス提供時間に応じた報酬区分で算定

・短時間(通所介護2時間未満、通所リハ1 時間未満)の提供の場合、最短時間区分(通所介護2~3時間未満、通所リハ1~2時間未満)で算定。公民館等で実施した場合も同様。感染拡大防止の目的から、従来の通所系サービス事業所で短時間のサービスを実施した場合も同様。ケアプランで定めた提供時間を下回ったときは、実際に提供した提供時間の区分で算定

・1日に複数回の居宅訪問を実施した場合、提供時間に応じた報酬区分を算定。ただし、1日に算定できる報酬の上限は、ケアプランに位置付けた提供時間の報酬とする

・利用者の希望に応じて従来の通所と居宅訪問を組合せてもよい。その場合、人員基準が満たさなくても減算を適用しない

○利用者等の意向を確認した上で▽健康状態▽直近の食事の内容や時間▽直近の入浴の有無や時間▽当日の外出の有無と外出先▽希望するサービスの提供内容や頻度――等を電話で確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日について1日2回(休業要請を受けていない場合は1日1回)まで算定可。職員が自宅等から電話しても可。確認事項は記録を残すこと。

○(予防含む)通所リハビリが▽健康状態▽居宅の療養環境▽当日の外出の有無と外出先▽希望するリハビリの提供内容や頻度――等を電話等で確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日について初回のみ、相応の報酬を算定

訪問系

○通所介護等が利用できない等の理由による訪問介護の増加、また職員の発熱等により人員基準上の必要な資格を持った人員が確保出来ない場合、一時的かつ利用者の処遇に配慮したものであれば、他事業所等で高齢者へのサービス提供に従事したことがあり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。ただし、基本的にはケアマネジャーが調整し、有資格者を派遣できる訪問介護からサービス提供することが望ましい。

○新型コロナウイルスの感染が疑われる者への訪問介護を行う際、利用者・家族・訪問介護員への感染リスクを下げるため、生活援助の提供時間が20分未満となった場合も、訪問介護計画で位置づけた内容のうち高齢者の在宅生活を支援するため必要な最低限のサービス提供を行った場合「生活援助20~45分未満」の報酬を算定

・訪問看護が提供時間が20分未満となった場合「20分未満」で算定(通常は20分以上の保健師または看護師の訪問看護が週1回以上提供、かつ緊急時訪問看護加算の届出が必要)

○外出自粛要請等の影響で、買い物先の混雑等により生活援助の時間が45分を大きく超えた場合、利用者に説明し請求前に同意が得られ(同意は訪問介護事業者、ケアマネジャー経由のいずれも可)、かつケアマネジャーが必要と認めるときには「45分以上」で算定可。この場合、訪問介護計画およびケアプランは保険者からの求めに応じて必要な変更を行うこと

○訪問看護の利用者等から、新型コロナウイルス感染症に対する不安等により訪問を控えるよう要請された場合、看護職員が電話等で病状確認や療養指導等を行えば「20分未満の訪問看護費」を週1回に限り算定。まずは医療上の必要性を説明し、利用者等の理解を得て訪問看護の継続に努める必要があること。また①当該月に看護職員による訪問看護を1日以上提供した実績がある②主治医への状況報告と指示の確認を行う――こと。提供時間についてケアプランの変更が必要であることに留意するとともに、利用者等の同意と電話等による対応内容を訪問看護記録書に記録すること

○新型コロナウイルス感染が疑われる者への訪問入浴介護は、清拭で行っても減算とならない

福祉用具

○新型コロナウイルス感染症の影響で(予防)特定福祉用具販売の福祉用具の調達が困難になった場合、特定福祉用具販売計画などで年度内の購入意思が確認されれば、購入が次年度であったとしても年度内の限度額として保険給付が可能

○福祉用具貸与計画・特定福祉用具販売計画作成において、利用者または家族との対面が難しい場合、電話・メールなどの活用による説明・同意を得ることも可

居宅介護支援(予防含む)

○サービス担当者会議は感染拡大防止の観点から、利用者の自宅以外での開催や電話・メールによる実施も可。利用者の状態に大きな変化が見られない等、ケアプランの変更が軽微の場合は担当者会議の開催は不要。感染者が発生していない地域でも同様

○モニタリングは感染拡大防止の観点から、利用者の事情等により居宅を訪問できない等やむを得ない理由がある場合は、月1回以上の実施ができない場合についても、柔軟な取扱いが可能 ※福祉用具貸与も同様

○退院・退所加算は感染拡大防止の観点から、病院等の職員との面談以外での情報収集や電話・メールなどを活用するなどにより算定可。※(地域密着型)特定施設入居者生活介護の「退院・退所時連携加算」も同様

○通所介護が当初のケアプランから時間を短縮、また居宅訪問によるサービス提供を行う場合、事前に利用者へ説明し同意を得た場合(同意文書はサービス提供後でも可)は、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。また、これらの変更にはケアプランの見直しが必要となるが、サービス提供後でも可。

介護施設

○都道府県等が入退所の一時停止、併設サービスの全部または一部の休業等を要請した場合、老健の基本施設サービス費および在宅復帰・在宅療養支援機能加算の基準において「算定月の前6 月間」等の指標の算出にあたり休業等の期間は含めなくてもよい。自主的に休業等を行う場合も同様とし、理由を事前に許可権者に伝えるとともに記録すること。なお、感染の疑いや濃厚接触の疑いがない者の入退所については、地域の感染状況も踏まえながら従前どおり行うよう努めること

○外部の事業者に消毒業務を委託して実施する際の費用は、地域医療介護総合確保基金における新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援事業の介護施設等の消毒・洗浄経費の対象とすることが可

地域密着型

○(看護)小規模多機能型居宅介護が、職員の発熱等で出勤を控えサービス提供体制が整わない場合、また都道府県等の休業要請や自主的に通い・宿泊を休業した結果、サービス提供が過少(登録者1人当たり平均回数が週4回未満)となった場合も減算は適用しない。なお、通い・宿泊を休業した場合でも、個別サービス計画の内容を踏まえた上で、できる限り訪問サービスを提供すること

○認知症介護実践者等養成事業に規定される認知症対応型通所介護の管理者、(看護)小規模多機能型居宅介護の代表者・管理者・ケアマネジャー、認知症対応型共同生活介護の代表者・管理者・計画作成担当者の修了が義務づけられている各種研修の開催は延期してもよい。この場合、受講できなかったことによる人員基準違反・欠如減算は適用しない。なお原則として、延期後直近に開催される研修を受講すること。新たに指定を受け開設する事業所については、利用者へ適切なサービスが提供されると指定権者が認めた場合に限られる

共通

○ 4月分の介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算計画書の提出について▽新型コロナウイルス感染症への対応により期限までの計画書の提出が難しいこと▽要件を満たし算定を行う介護職員処遇改善加算または特定処遇改善加算の区分――を説明することで、2020年7月末までに計画書を提出すれば算定可。計画書提出時点で算定区分が異なる場合等は過誤処理を行うこと

○特定事業所加算(訪問介護・居宅介護支援)、サービス提供体制強化加算等の要件「定期的な会議の開催やサービス提供前の文書による指示・サービス提供後の報告」、またリハビリテーションマネジメント加算(訪問・通所リハビリ)の「定期的な会議の開催」は感染拡大防止の観点から電話、文書、メール、テレビ会議等の対面を伴わない方法でも可

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