ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

社会・時事・他医療ベンチャー協 オンライン診療対応病院公開2020年5月14日08時43分

医療機関へのアクセスをサポート

200504venture.jpg

 4月13日より、疾病や受診歴に関わらず、初診でもオンライン診療を受けられるようになった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「時限的・特例的措置」として、終息までの間、規制を緩和する。日本医療ベンチャー協会(東京都千代田区、和田裕理事長)はこれに先駆け、オンライン診療に対応できる医療機関のリストを作成し、3月27日より一般公開している。同協会理事で、医師、MRT社長の小川智也氏に、リスト公開の狙いなどについて聞いた。

 ――日本医療ベンチャー協会とは。

 当協会は、医療・ヘルスケア事業に関する国内外の企業・団体、関係省庁との連携を通じ、国内の医療・ヘルスケア市場の活性化などを目的として、2017年に設立した。厚生労働省の「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討委員会」に委員として参加したほか、内閣府の規制改革推進会議で課題報告や提言などの活動を行ってきた。医療・ヘルスケアベンチャーなど55会員で組織され、私が代表取締役を務めるMRTも、オンライン診療アプリやグループウェアなど、医療機関向けのシステム開発・販売を手掛けている。

 ――オンライン診療を行う医療機関のリストを公開した狙いは。

 今回、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンライン診療料の算定が初診から認められるなどの特例措置が始まり、報道でも大きく取り上げられた。ただ、患者はオンラインで診てくれる病院がどこにあるのかがわからない。そうした方の選択やアクセスをサポートする目的で作成し、当協会ホームページ(https://jmva.or.jp/infomation/online0421/) 上で公開した。これまでは、慢性疾患で比較的、状態が安定している人のみを対象とし、かかりつけ医と相談しながら、対面とオンラインの診療を組み合わせる仕組みだったため、そうしたリストが必ずなくてはならないということではなかった(※厚生労働省も4月24日に対応医療機関リストを公表している)。

 リストは、医療機関からの申請のほか、会員のオンライン診療システム開発企業の顧客医療機関への聞き取りなどによって作成した。4月27日現在、1413医療機関が都道府県別に掲載され、随時更新を行っていく予定だ。ただ刻々と地域の医療状況が変わる中で、「既存の患者への対応で忙しくなっている」といったん掲載OKだった病院から削除依頼があった例もある。利用にあたっては、事前に医療機関のホームページを確認するなどの確認をいただくよう呼び掛けている。また診療報酬上では、電話での診療も含まれるが、当協会のリストは「ビデオ通話を伴うオンライン診療の対応医療機関」に限定して掲載している。

 ――オンライン診療のメリットは。

 診療の質はオンラインよりも対面診療の方がもちろん優れている。ただ、高齢者や要介護者は通院や病院での待ち時間がハードルとなったり、訪問診療は医師の移動時間の効率化が課題だったりする。したがって、外来や訪問診療とオンラインとを上手く組み合わせながら、まずはこうした課題を解決していくのが前提だ。

 オンラインであっても、今の状況が一定程度確認できる。ただ医療従事者にとっては、やはり電話や文字情報よりも、ビデオ通話の方がより得られる情報量は多い。例えば、患者が痙攣しているのか、それとも熱が上昇する前のシバリング(ふるえ)なのかも、リアルタイムの動画であれば目で見て確認しやすい。その結果、本当に痙攣であれば、すぐに救急車を呼ぶように指示を出すといった判断に繋げることができる。

 もちろん電話が良くないといっている訳ではない。特に高齢者にとって、環境や操作の点でビデオ通話が難しい人もいるだろう。医療機関へのアクセスを広げるためにも、活用できるツールは多い方が良い。ビデオ通話でのオンライン診療を受診する際は、通信環境には気をつけてほしい。スマホをWi―Fiに繋げておくなどしないと、通信料が高額になる場合もある。

 今回の規制緩和で、オンライン診療の有用性、課題が今まで以上に明らかになるだろう。当協会も情報収集に努め、より安心して医療を受けられる環境構築に一層力を注いでいきたい。

<オンライン診療>

 2018年度の診療報酬改定で制度に位置づけられた。電話のほか、スマートフォンやタブレットのビデオ通話で医師が診察や診断を行う。従来、初診は原則として診療報酬の算定ができないほか、対象も特定疾患や生活習慣病などの定められた医学管理料を算定している患者に限定し、さらに同一医師が3カ月以上、対面診療を行っているなど厳格な要件が敷かれていた。しかし、患者が新型コロナウイルスの感染を恐れて受診を控えているほか、医療機関での院内感染のリスクがあることから、期限付きでの要件緩和を決めた。オンライン診療の初診料は214点。3割負担の場合だと、患者の自己負担は642円となる。医療機関は全診療におけるオンライン診療の割合を10%以下に抑えなければならないがこの要件も当面緩和する。

「社会・時事・他」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール