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社会・時事・他通所系「2区分上位」算定可能に(臨時取扱い第12報)2020年7月16日07時05分

利用者・ケアマネの理解得られるか

 厚生労働省は6月1日発出「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)」で、通所系サービスが実際の提供時間より2区分上位の時間区分で報酬を算定できる旨の通知を行った。算定回数の上限は時間区分等によって規定。6月サービス分より対象となる。しかし、上位区分の報酬は利用者負担にも直結。既に利用者からは不満・反対の声、説明を行わなければならない現場の事業者やケアマネジャーからは困惑の声があがっている。(通所介護・通所リハ・地域密着デイ・(予防)認知症デイ)

 厚労省は新型コロナ感染拡大防止の観点から、特に感染リスクが高いとされる通所系サービスについて、これまでも「通所職員の訪問」「電話による確認」といった手法で介護報酬の算定を認めてきた。今回新たに示したのは、実際の提供時間より2区分長い時間区分での算定を可とするもの。通所介護(地域密着型、認知症対応型含む)と通所リハビリテーションを対象に6月サービス分より適用する。算定回数には上限があり、ひと月の利用実績から利用時間等によって定められる。

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A群:短時間区分は月1回

 通所介護の場合、利用時間が「2~3時間未満(「2~3時間」と表記、以下同じ)」「3~4時間」「4~5時間」(A群)の利用者は月1回に限り算定可。4~5時間を月10回利用した人(通常規模型・要介護3、以下同)だと2区分上位の6~7時間(784単位)が1回、残りの9回が4~5時間(495単位)となる(図)。

B群:長時間区分は月最大4回

 また、「5~6時間」以上(B群)の時間区分の場合、算定回数は「利用回数を3で割った数(端数切上げ)と4回を比べて、少ない方の回数」となる。例えば6~7時間を月8回利用すると、8回を3で割り、端数切上げすると3になり、4回より少ないので、3回まで2区分上位の算定が可能。結果、8~9時間(902単位)を3回、6~7時間(784単位)5回算定となる。

「複数区分組合せ」は最大利用の時間区分に応じる

 異なる時間区分を組み合わせている場合は、利用回数が最も多い時間区分(同数の場合は長い方の時間区分)の算定方法(A群またはB群)に従う。

 例えば、3~4時間3回、7~8時間7回利用の場合、7~8時間(B群)の回数が最も多いため「利用回数を3で割った数(端数切上げ)と4回を比べて少ない方」を適用。算定回数は同様に計算すると4回となり、結果、3~4時間(472単位)3回、7~8時間(887単位)3回、9~10時間(952単位)4回となる。

 通所リハビリも同様の考え方。「1~2時間」「2~3時間」の場合は月1回、「3~4時間」「4~5時間」「5~6時間」の場合は「利用回数を6で割った数(端数切上げ)と2回を比べて少ない方」、「6~7時間」以上は「利用回数を3で割った数(端数切上げ)と4回を比べて少ない方」とする。

 訪問や電話によるサービスは利用回数に含めない。

負担増に利用者「納得できない」/現場も「説明困難」

 ケアマネジャーとは通所介護等計画とケアプランで利用回数等の整合性をはかる等の連携が必要。上位区分の算定はそのまま利用者の負担増にもなるため、利用者の同意は必須。給付費請求前までに、サービス事業所またはケアマネジャーより説明し、同意を得なければならない。

 6月25日の社会保障審議会介護給付費分科会では、認知症の人と家族の会(鈴木森夫代表理事)が実際に利用者から受けた声を代弁。「利用は3時間なのに、事業所の都合で6時間の利用料を請求されるのか。大変な状況で事業継続しているのはわかるが、利用者負担にはね返るのは納得しがたい。電話で説明を受け、混乱している利用者もいる」と同会鎌田松代理事は述べ、介護報酬以外での対応を求めた。

 上位区分を算定した場合も区分支給限度基準額は変わらないため、同意をしない人との不公平感も同氏は指摘。ケアマネや事業所からも、利用者への説明が難しくて困っているとの意見を紹介した。

 同省は「感染対策で通常よりかかっている手間を適切に評価した。今回の特例以外にも、さまざまな支援策を用意している。組合せて対応して欲しい」と説明した。

東京・大田区 自宅で運動・脳トレプログラム

 コロナ対応で、臨時的なサービス提供体制、報酬算定が認められる中、ケア内容をより見える化し、質の担保に努める介護現場もある。

 東京都大田区の通所介護事業者団体「大田区通所介護事業者連絡会」(加盟130事業所)では、新型コロナの影響により自宅で過ごす利用者向けに「自宅でできるデイサービス」を考案した。「運動プログラム編」「脳トレ編問題集」の2冊に加え、実施内容を通所が記録する「電話確認簡易記録表(週間)」とケアマネへ提出する「週間報告」を揃えたのが特長。通所の代替サービスとして訪問・電話を実施した際も、サービスの質を担保することが目的だ。同会松橋良副会長は「自宅生活でのフレイルが心配。短時間訪問や電話連絡が報酬の対象になったが、利用者への励ましやコミュニケーションも重要だと考えた」と作成の経緯を話す。

 「運動プログラム編」は①ストレッチ②大田げんき体操(いす座位、立位)、口腔・嚥下体操で構成。動きやすい服装、安定した椅子を選ぶこと、水分補給や休憩など無理なく行うための注意点も踏まえている。

 電話確認簡易記録表は訪問・電話によるサービス提供時に、健康状態や入浴の有無、食事状況、外出有無、プログラム実施状況等を記録。週間報告表は算定有無、直近の摂食状況、健康状態、電話連絡の有無、訪問の有無、自主トレの実施状況などをケアマネジャーへ報告する。

 区内の居宅介護支援事業所にも冊子を配布。同区介護支援専門員連絡会理事長の浜洋子氏は、「自宅にいる利用者への対応はケアマネの大きな悩み。今回の取組で、利用者の状態を報告してくれるケースが増えた。ADLの低下防止につながるケースも見受けられる」と評価する。

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